※本記事は、2018年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』31号に掲載したものです。
マーケティング・データ視点での3つのキーワード
2018年5月25日、ついにGDPRが施行となった。これをビジネス上での重荷と見るか、未来に向けての新しいエコシステムと見るか。本稿では、GDPRが見せる「入り口のポイント」と「その未来」について考えたい。
まずは数あるGDPR上のキーワードの中からデータ視点の3つを確認しておこう。
1、スードニマイゼーション(Pseudonymization):仮名化
氏名や住所などの個人データのうち、「誰」と特定できる部分を「仮名」に暗号化し、データから直接個人を特定できなくすること。しかし、仮名化しても、暗号化情報があれば元に戻して個人を特定できるため、GDPRの元では仮名化された情報は「個人情報」として扱われる。
2、アノニマイゼーション(Anonymization):匿名化
上記に対して「匿名化」は、氏名や電話番号等の「個人」を識別できるデータを取り除き、復元不可能な状態に加工すること。たとえば、小売店のポイントカードから「いつ」「どの店」で「どんな商品」を購入したかの購買活動データの中から個人が識別できる情報を除外し、匿名加工して商品メーカーに提供するようなケースを指す。これはGDPRの適用対象外になる。
3、プロファイリング(Profiling)
匿名化データの集積から、行動履歴をデータ元として、コンピュータ処理により嗜好や傾向を分析および仕分けすること。GDPR以降はデータ主体者(わたし)から、明示的な同意を取得していく事が求められる。今日現在マーケティング領域で関心が持たれているのは、この「プロファイリング」の精度とその所有権だ。
本コラムはデジタルインテリジェンス発行の『DI. MAD MAN Report』の一部を再編集して掲載しています。本編ご購読希望の方は、こちらをご覧ください。