※本記事は、2018年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』32号に掲載したものです。
“移動時間”は重要なタッチポイント
みなさんは、日常の移動手段として、主に何を利用されているでしょうか。電車やバスといった公共交通機関、もしくは、自転車やバイク、あるいはクルマといったパーソナルな交通手段でしょうか。
マーケティング戦略を考える上で、会社勤めをしている人であれば通勤、学校に通う人であれば通学といったように、毎日発生する“移動時間”は、とても重要な機会と位置付けられています。しかし、これまで、生活者の移動時間に接触を図ろうとすると、クルマやバイクという“運転”が必要なものは、アプローチ手段が制限されるため、主に公共の交通機関で移動する人を対象とした戦略を取ることが当然の流れでした。
また、この対象とする交通手段の選択は、エリアでの制限にもつながってしまっていました。たとえば、通勤や通学に公共の交通機関を使うためには、自ずと交通網が発達している大都市圏や地方の中核都市に住んでいる人に限られてしまいます。そのため、通勤や通学といった移動時間に接触を図ろうとすると、自ずと公共の交通機関を使っている都市圏の生活者に制限されていたのです。
それが今、こうした状況も大きく変わろうとしています。