※本記事は、2022年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』82号に掲載したものです。
テキスト入力だけでAIが画像を生成してくれる「お絵描きAI」技術の登場
──最初に、ガラパゴス社の事業内容とミッション、ビジョンをご紹介ください。
中平:ガラパゴスは2009年に創業以来、一貫してデジタルモノづくりに携わってきました。Webサイトやスマホアプリの受託制作・開発からスタートし、2015年からデザイン×AIの研究開発を始め、2019年に「AIR Design」という現在のメインサービスをリリースしました。「AIR Design」は、LPやバナー、動画などの広告クリエイティブをAIと我々クリエイティブのプロ集団の力をかけ合わせて制作し提供するという、マーケター向けのサブスクリプションサービスです。
僕と島田、そして取締役CTO・細羽啓司は、元々製造業のコンサルティングファームで新卒同期としてともに勤務していました。そこで製造業のモノづくりを学び、それをデジタルの世界に持ち込むことで、人がよりヒトらしく生きられる社会を創りたいと、2009年に3人で創業したのです。
「プロセスとテクノロジーで人をよりヒトらしく」、これが僕らのミッションです。Webサイトやスマホアプリの受託開発を通して、デジタルなモノづくりに携わる人たちと関わる中で、まだまだ非効率なプロセスを踏んでいるなと感じました。多重下請け構造で、つくり手の報酬も安く、労働時間は長い。ヒトらしい働き方になっていませんでした。
そこに対して、僕らが学んできたプロセス改善のノウハウや自分たちで開発したテクノロジーを使えば、人がヒトらしいものづくりのあり方を実現できるのではないか。そんな想いで「デジタルモノづくり産業革命」というビジョンを掲げ、あらゆるデジタルなモノづくりを根底から変えることを目指しています。
──御社は「AIR Design」というAIを活用した広告クリエイティブ制作サービスを提供されていますが、「広告クリエイティブ領域におけるAI技術」は現在、どのようなステージにあるのでしょうか。
中平:我々が「AIR Design」というサービスの中で使ってきたディープラーニングの技術は、いわゆる「データベースづくり」に役立ててきました。たとえば、あるバナー画像があったら、「女性が入っている」「赤色が多い」など、あとで検索しやすいようにタグ付けを行い、それをAIがディープラーニングをすることで自動解析してパターンを見出してくれるようにするというものです。
今ではさらに、テキストを入力すると画像をAIが生成してくれる、いわゆる「お絵描きAI」の技術が最新トレンドになってきています。今までは画像情報をAIが認識してテキスト化していたわけですが、それと逆で、人がテキストを入れると画像を作ってくれるようになっているのです。