今後の進化のポイントは動画
MZ:千葉ジェッツのような事例が、他のチームでも出てくると良いですね。今後、スポーツ業界全体を活性化する上で必要なことはなんだと思いますか。
平地:千葉ジェッツの事例のように、LPと広告を組み合わせてコンバージョンを増やすというデジタルマーケティングの基礎を行うことで、他のチームでも成果が出ています。
たとえば、レバンガ北海道はこれまで集客数が3、4位だったのが、昨年は2位となりました。チーム自体の成績は決して良いものではなかったものの、集客は大幅に伸ばすことができました。彼らと一緒にやってきたことは、先ほどの事例のネクストフェーズに来ています。そのカギとなっているのが動画です。
具体的には「バスケってカッコいい」「観に行ったら楽しそう」と期待感を煽るもの、また「ファンの皆さんが会場に足を運んで、大きな声を発してくれることが僕らの力になっているんだ」というメッセージを選手が伝える動画など、様々な視点から作っています。
その映像をSNSアカウントでの投稿はもちろん、広告素材としても活用することで、より来場へのモチベーションを高めています。実際にCPCやCPA、CVRなどにも良い効果を生んでいます。しっかり最後まで見られる映像を作ることで、ファンのモチベーションを上げるだけでなく、広告素材としても効率化させることができるんです。
さらに昨年の2017シーズンでは試合会場で流れるオープニング映像も、弊社が制作しています。そうすることで、クリエイティブの統一感を出し、ブランディングも図っていくよう心がけています。会場の外で見た映像と会場の中で観る映像のテイストを合わせることで、「あーこれこれ!」という感覚も呼び起こしたいと考えています。
スポンサー獲得もデジタルで効率化
平地:あと、ここまでチケッティングを中心としたBtoCの話がメインでしたが、とはいえ、スポンサー獲得も非常に重要なチーム課題です。今後の私たちの可能性としてはスポンサー獲得、つまりBtoB側にもデジタルマーケティングを活用して支援したいと考えています。一緒にチャレンジしてくれるチームは現在募集中です(笑)。

MZ:スポンサー獲得でもデジタルマーケティング、どういったことを行うのでしょうか。
平地:今少しずつではありますが、SFA(営業支援システム)を導入し、営業活動を効率化する動きを進めるチームが出てきています。そこのIT導入という観点でも支援を私たちでできないかと考えており、その先にはMAの導入・活用支援なども視野に入れています。
そこまでカバーできれば、スポーツチーム運営の大きな柱であるチケッティングならびにスポンサー獲得の支援を押さえることができますからね。デジタルの面でそこまで支援できている企業はほとんどないと思います。
MZ:海外ではMA活用も進んでいるんですか?
平地:そうですね。まだ、対来場者向けやファンクラブ向けでの活用が良く聞くところですが、BtoBで活用するチームも出てきています。現在国内でスポンサーを多く獲得しているチームは、ほとんどが人力での営業です。そこの効率化もデジタルを活用してぜひ進めていきたいなと思います。
MZ:ありがとうございました。次回は実際のスポーツチームにお話をうかがいます、お楽しみに!