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ネット広告の収益が約4倍に/「女性自身」の担当者が語る、ネイティブアド配信サービス「UZOU」の魅力

 メディア企業がオンラインで展開する上で、無視できない存在であるネット広告の収益。「ノウハウがまったくなかった」という光文社が選んだのが、Speeeが開発するネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」だ。同プラットフォーム導入後、担当者のコンサルティング的な取り組みも手伝って、ネット広告の収益増以外のメリットも得られていると言う。両社の担当者に詳しく話を聞いた。

より良いコンテンツを生み出すためには収益性の向上が必要

――最初に、それぞれの現在担当している役職、担当領域などをお聞かせください。

(写真左から)光文社 コンテンツビジネス局 雑誌コンテンツ事業部 佐藤幸美氏
同 部長代理 佐久間健氏
Speee UZOU マネージャー 藤田理氏
同 事業部長 左納健大氏

佐藤:「SmartFLASH」「女性自身」および、暮らしにまつわる情報を伝える 「re:sumica(リスミカ)」という新規サイトについて、純広告やタイアップ、ネット広告の営業窓口をしています。

佐久間:「女性自身」「SmartFLASH」の広告マネタイズのほか、7月頃に立ち上がった「re:sumica」のコンテンツ制作・サイト運営をしています。

左納: Speeeのネイティブアド配信プラットフォーム「UZOU」の責任者を務めています。本件では、光文社様向けのサービス全般を取りまとめるような役割を担っています。「UZOU」はプロダクト事業なので、開発チームのマネージメントなども同時に行っていますね。

藤田: 「UZOU」をご導入いただいているメディア様の営業窓口として、導入促進や導入後の売り上げなどに応じた様々なご提案をさせていただいております。

――今回「女性自身」で「UZOU」を導入したということですが、導入以前にはどういった課題があったのでしょうか?

佐久間:私は2年前に現部署に配属されたのですが、「女性自身」のWebサイトにちょうどネットワーク広告を入れ始めた時期でした。弊社のメディアの中で一番古くからWebに力を入れていたのが「女性自身」で、そこからスタートしたという経緯です。

 当時はまだ広告を入れ始めた段階でしたので、これといった課題はありませんでした。強いて言えば、収益を増やしていきたいという思いはありました。今後継続してより良いコンテンツを提供していくためにも、収益性の向上は必要なことです。

ネット広告の収益向上に本格的に着手するため、「UZOU」を導入

――「UZOU」導入の背景には、ネット広告による収益を向上させるという明確な目的があったということですね?

佐藤:はい。「UZOU」導入後にいくつかのアドネットワークを入れていきました。どういう広告をどこに入れるのが良いのか、などの提案をいただきながら進めて現在に至ります。

佐久間:「女性自身」で導入をさせていただいて、ここ2~3年で目に見える結果が出てきました。これを受けて、他のメディアでもネット広告を強化しようかという話が出ています。

――7月に新規メディアを立ち上げたということですが、「女性自身」で結果が出たことが関係しているのでしょうか?

佐久間:直接関係しているというわけではないです。「新しいことをしたい」という声が上がり、以前テスト的に運用していたWebメディアを本格的に始めたのが「re:sumica」ですね。ただ、もちろん「女性自身」などの一部メディアでオンライン広告の収益が伸びているということは背景にあります。「re:sumica」でも、十分な収益が見込めるという期待感はあります。

――UZOUを選んだ理由をお聞かせください。

佐久間:編集部の一人がSpeee様の担当者と知り合いだったためです。その前に利用していたレコメンドエンジンに代わるものとして試してみようと、2017年2月頃から始めました。それまで使っていたレコメンドエンジンは外資企業様のサービスでしたが、管理画面などのUIやコミュニケーションの面では「UZOU」のほうがわかりやすく、丁寧でした。

ユーザーにあった広告は本来楽しいはず

――「UZOU」について教えてください。どのようなプラットフォームなのでしょうか?

左納:「UZOU」は、レコメンドウィジェット型のネイティブアド配信プラットフォームです。最近では記事の下のほうに、「この記事を読んだ方にはこれもおすすめ」というレコメンドが出てきますよね。ここには我々「UZOU」を始め、複数のベンダーが提供する枠が増えてきています。

左納:「女性自身」さんの場合は、その記事を読んでいる人が興味を持ちそうなものや、その記事との親和性がありそうなものをレコメンドします。自然な形で文脈にあった広告、ユーザーに近い広告を出すことができるプラットフォームです。

藤田:多くのユーザーにとって広告は必要がないものと思われがちです。ですが、メディア側は収益化しないと良いコンテンツを作れません。もっと言えば、日本の広告はまだまだ収益性が低い。収益性を上げることができれば、もっと良いコンテンツが生まれてくるはずです。

 私個人としての理想なのですが、子どもの頃におもちゃのチラシを見て「これが欲しいな」とワクワクしたような世界を作りたいと思っております。その背景には、ユーザーが欲しいものを勧める広告は本来楽しいはずという考えがあります。実現することはなかなか難しいですが、そこを目指していきたいですね。

「UZOU」導入後、ネット広告の収益は約4倍に

――「文脈に沿った広告を配信する」という点はビューアビリティにも関係してくるところだと思います。ビューアビリティやブランドセーフティの面で取り組んでいらっしゃることはありますか?

藤田:当然、アダルトコンテンツに該当する広告などは流れません。また、ビフォー・アフターなどの誇張した広告も基本的には流れないよう、広告配信できる基準を保ち審査する体制を整えています。

――光文社さんに伺います。UZOUを導入以降、収益やサイト訪問者数などの数字にどのような影響がありましたか?

佐藤:記事のCTRに関しては、2017年3月時点で3.93%でしたが、現在は4.64%にまで上昇しています。PVも伸びているので一概に比較はできませんが、広告収益で見ると約4倍の成長をしています。記事の回遊率も約2倍になっていますね。導入からすぐに急増したわけではありませんが、1年半でこの増加はとてもありがたいです。

メディアに寄り添い、業界の動向を含めた情報を共有

――藤田さんはサービス導入後もメディアと密に連携を取っているそうですね。具体的にはどういった話をするのでしょうか?

藤田:「UZOU」には 広告を改善するためのアルゴリズムが複数あり、日々成果に応じてチューニングなどの作業を我々で行わせていただいております。そうした全体の状況や直近の広告の在庫などを含めた収益の動向、広告業界全体の潮流などの話をさせていただいております。

佐久間:以前、こちらから「収益が前月より下がっていますが、何かアルゴリズムに変更がありましたか?」と問い合わせたところ、「新しいアルゴリズムにちょうど変更したタイミングで、チューニングをかけながら改善を進めている」というお返事をいただいたことがあります。コミュニケーションの面では密に連携を取れていると思います。

左納:アルゴリズム以外だと、初期の頃にフォーマットに関して何度か調整させてもらいました。我々は内部で様々なデザインを検証する専用のチームを持っています。デザイナー、コーダーなどでチームを編成していて、他のメディア様で効果が出たフォーマットをこちらから提案してテストをする、といったことも行っています。

収益性を求めながら新しい検証にも挑戦

――コンサルティングのような役割を担っているということですね。他に、メディアとのコミュニケーションで心がけていることはありますか?

藤田:少しでもお客様のビジネスにつながる有益な情報をお渡しすることを心がけています。情報には大きく分けると2つあります。1つ目は我々のサービスが解決できる目の前の領域の内容。そして2つ目は、すぐには解決できないけども、未来として取り組んでいくべき領域に対する情報です。

 我々のサービスが解決できる社内の情報としては、左納が話したような「UZOU」の概要に加えて、3ヵ月後にこんな機能が出てくるなどの話をします。未来として取り組んでいくべき領域の情報としては、現在広告主様が直面している課題やネット広告の業界が模索している現状などをお伝えしております。

 「UZOU」は、広告のリクルーティング部門もすべて弊社で完結させております。また会社自体もSEO事業から始まり、広告運用事業を経て今に至ります。ですので、広告の事業に関して説明できることは多いです。ここは強みと言えますね。数字は管理画面に出ているので、数字だけお伝えするのでは意味がない。せっかくお時間をいただいているので、付加価値のある情報をお渡ししたいと考えています。

佐久間:我々はWebやアドネットワークの広告についての知識がもともと少ないので、定期的にトレンドなどを教えていただけるのは、とても役に立っています。我々は自社のことしか把握できないので、他社はどうしているのか、これは今すぐやる必要があるのかなどの相談はさせてもらっています。

佐藤:広告収益については、自分たちで管理画面を月に2回程度モニタリングし、前月比などをチェックしています。「PVは増えているけど収益が伸びていないのはなぜか」とか、逆に「アクセス数は同じなのに前月より収益がいい理由は何か」など背景を理解しているのとしていないのでは、メディアの運営方針も変わってきます。

 このように、数字の報告だけではなく、データの読み方についてのノウハウを共有してもらえるので、次に試すべきことのヒントにつながります。

藤田:光文社様だけではなく、多くのメディア様の間で「ネット広告は難しい」という声をお聞きします。我々が「UZOU」を開始したのも、文脈に合っている広告やユーザーのニーズに応える広告ならば、きっと見え方が変わるだろうと感じていたからです。最近では地方新聞様との取り組みが増えてきていますが、やはりネット広告に注力していかなければならないという機運があるように思います。

収益化だけでなく多面的な提供価値を届けていく

――最後に、皆さまの今後の展望や目標を教えてください。

佐藤:順調にネット広告での数字が伸びていますので、今後はレコメンドやデザインのレイアウトの面で、A/Bテストなどをしながら数値がどう変わるのかを見ていきたいです。

佐久間:我々はマネタイズの部署なので、やはり目標は収益を上げていくことです。「女性自身」のシステムが6月にリニューアルし、以前と比べて広告面でのテストをしやすい状況になっています。なので、色々と試験的な取り組みはやっていきたいと思っています。

藤田:今後も光文社様の収益性を上げることのできる提案を考えていきたいです。その上で、今後はよりデータとの連携や、収益を上げるためのデザインのアドバイスなどもできればと思っています。

左納:私も、光文社様にはさらに高い収益性を提供したいと考えています。また、第三者である我々だからこそ追求できる価値や提案も模索していきたいです。メディアの広告主に対しても、「こういう記事にはこういう広告が合う」などと提案をし、単なる収益化のためのエンジンを超えた提供価値を届けていきたいですね。

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2018/09/28 10:00 https://markezine.jp/article/detail/29196