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流行しやすく廃れやすい10代の流行

 10代の子たちはオンラインとオフラインで密接につながって濃厚なコミュニケーションをしているため、流行が広がりやすい傾向にあります。10代に対して強い影響力を持つ芸能人やインフルエンサーなどが利用することで、一気に広まるようです。

 10代においては流行が広がりやすい一方、廃れるのも早い傾向にあります。そもそも10代の子たちは、大人世代が自分たちのコミュニケーションに入り込んでくることを嫌います。大人世代が使い始めると「ダサい」「見張られているようで嫌」と感じて、新しいサービスに移行する傾向にあるのです。

 つまり、大人が利用するようになると10代の子たちは他のサービスに移行していってしまうため、我々が知った頃には「流行遅れ」になっている可能性もあるというわけです。それ故、いつも最新の利用状況を知っておく必要があります。

ストーリーは「会話のきっかけ」

 10代は、Instagramの使い方も大人とは違っています。Instagramといえば「インスタ映え」ですが、確かにそのような使い方もしています。しかし、Instagramは実はキラキラしたオシャレな写真を投稿するだけの場ではありません。10代は、情報収集やコミュニケーションのために使うことも多いのです。

 10代は、Instagramで複数のアカウントを所持して趣味や関心ごとによって使い分けています。1つのアカウントでフォローする分野を1つに絞ることで、フィードからの情報が得やすくなるというわけです。たとえば10代では、受験勉強用に「勉強垢(アカウント)」を作るケースが目立ちます。自分の志望校や1日の学習時間などを公開して、他のユーザーと励まし合いながら学習のモチベーションを保つために使っているのです。投稿するのも、参考書やノートの写真です。

 ハッシュタグを流行の服や食べ物、旅行先などの情報を得るために活用することもあります。たとえば金沢旅行に行く前に、「#金沢」で人気のスポットを調べてから行くという使い方をします。10代は、他のユーザーが実際に行ったり食べたりしたSNSの情報を信頼する傾向にあります。

 最近は、24時間で消える動画を投稿できる機能、「ストーリー」が人気です。一般的にInstagramは、決まったテーマの精選した美しい写真だけを投稿する場です。一方ストーリーは、24時間で消えるので気軽に投稿できます。全体に、独り言が投稿できるTwitterの動画版のような使い方をしている子が多いようです。

 たとえば「この授業にいます」や「こんなメンツで遊んでいるよ」、「今晩自炊した夕飯」などを気軽に投稿するそうです。「AとBどっちが好き?」などの手軽なアンケートを投稿することもあります。友人たちはそれを見て、「私も同じ授業にいるから一緒に受けよう」「私もその子と友だち。今度一緒に遊ぼう」などとDM(ダイレクトメッセージ)で会話が弾むそうです。むしろ、DMがくることを期待して投稿することもあるそうです。

 このように会話のきっかけとして投稿したり、Twitterの独り言のようなことを投稿するのは、10代ならではの特徴と言えるでしょう。

自分が主役で可愛く「盛れる」

 10代の自撮りに対する抵抗感はほとんどなく、気軽に写真や動画を投稿する傾向にあります。

 たとえば最近は、リップシンク(口パク)動画で知られる「TikTok」の人気が高まっています。ノリのいい音楽に合わせて上半身だけの簡単な動きを撮影して投稿している子がたくさんいます。いわゆる「踊ってみた」系の動画よりも動きが簡単で真似しやすく、豊富に用意されたスタンプなどの加工によって可愛く撮れるのが人気の点です。

 「MixChannel」では、カップル動画が特に流行しました。恋人とのツーショット写真などを音楽に合わせて編集し、文字を載せて加工すると、自分たちが主役のミュージックビデオができあがります。それに対して他の子たちがファンとなり、「憧れる」「理想のカップル」「また投稿してね」と褒めそやすというわけです。

 どちらも、自分たちが主役になった動画が撮れること、可愛く撮れることが人気の秘訣です。このようなサービスで撮った動画はTwitterやInstagramに投稿できる点も人気につながっています。彼女たちは、自分たちを実際以上に可愛く撮れる、つまり「盛れる」アプリを強く支持しています。可愛く撮れるアプリやアイテム、場所などは、それだけで人気が出る傾向にあります。

 つまり、「コミュニケーション」と「盛れる」が10代における二大キーワードというわけです。10代に対しては、この2つを抑えたアプローチが欠かせません。

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動画は「縦型」「つかみ」が大切

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この記事の著者

高橋 暁子(タカハシ アキコ)

ITジャーナリスト、情報リテラシーアドバイザー。
SNSなどのウェブサービス、子どもの携帯電話利用をはじめとした情報モラル教育、ネット規制、電子書籍などに詳しい。インタビューや取材も得意としている。元小学校教員であり、昨今の教育問題にも詳しい。
本や記事の執筆の他、携帯電話やSNSなどをテーマに講演、セミナー、監修、アドバイザーなども手がける。
著作に「Facebook+Twitter 販促の教科書 」「Facebook×Twitterで儲かる会社に変わる本」「Facebookで就活に成功する本」「仕事を成功に導くFacebook活用術」などのFacebook・Twitter関連本、「電子書籍リーダーをビジネスで使う本」「電子書籍の可能性と課題がよーくわかる本」などの電子書籍関連本、「子どもにケータイもたせていいですか?」などの情報リテラシー本、「仕事ができる・広がる! はじめてのLinkedIn」などのLinkedIn本、「ミクシィをやめる前に読む本」などがある。

・連絡先:aki-akatsuki@nifty.com
・公式サイト:http://akiakatsuki.com/

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/09/25 14:00 https://markezine.jp/article/detail/29255

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