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MarkeZine Day 2018 Autumn

リクルートが「最強マーケター集団」を目指してやったこととは?塩見氏が明かす、組織変革への道

 MarkeZineDay 2018 Autumn2日目、「リクルート流最強マーケター集団の作り方」と題し、登壇したのはリクルートの塩見直輔氏。同氏は、分社化し戦略的にIT化を進めてきたリクルートで、デジタルマーケターの組織作りに尽力している。これまでの3年間を振り返り、マネジメントから組織の構成、評価指標に至るまで、失敗も含めたノウハウを惜しみなく明かした。

10年後にはキャリアが消えている!? デジタルマーケターの悩み

 まず塩見氏は、本セッションにおけるデジタルマーケターの意味を定義。「今回は、デジタルマーケティングを軸にCVやLTV、売上最大化を目的とした戦略・戦術推進を担うデジタルマーケターを対象とし、その組織作りがテーマ」であると断りを入れた。企業によってマーケティング組織、マーケターに求める像は異なる。その定義を明確にするところから、組織作りが動き出すことがうかがえる。

株式会社リクルート ネットマーケティング推進室 室長 兼 株式会社リクルートテクノロジーズ 執行役員 塩見 直輔氏
株式会社リクルート ネットマーケティング推進室 室長
 兼 株式会社リクルートテクノロジーズ 執行役員 塩見 直輔氏

 塩見氏は、IT系出版社を経て、リクルートに入社。10年ほどデジタルマーケティングに関わってきた自身のキャリアを振り返り、ある悩みがあると打ち明けた。それは、テクノロジーの進化やサービスそのもののサイクルが目まぐるしく変わるため、デジタルマーケターとしてのスキルが次々と陳腐化し、積み上げたつもりがいつの間にか失われていくことだ。

 また、現場で手を動かさなければ習得できない各論もあり、そうなると若手ほど優れマネジメント層は疎くなるという状況が容易に起きうる。デジタルネイティブと呼ばれる層の台頭で、老害化していくベテランマーケターは少なくない。もちろんデジタルネイティブのマーケターも、油断は禁物だ。今は価値が高いとされるスキルも、AIが代行する時代が来て形骸化してしまう可能性は高い。これらは、「デジタルマーケター共通の悩みではないか」と塩見氏は問いかける。

 しかしそれは、技術革新とともに進化し続けるというデジタルマーケティングだからこそだ。塩見氏は「悩みでもあるが醍醐味でもある」という思いを抱き、ここまで組織の変革にチャレンジしてきた。

目指すはボトムアップ型マネジメントの異能プロ集団

 では、目指すべきゴールである「最強のマーケター集団」とはどんな組織だろうか? まず組織作りの選択肢として、様々なスキルを持ったプロフェッショナルを集めた「異能プロ集団」、もしくは「統制されたエリート集団」が考えられると塩見氏。

「異能プロ集団」イメージ
「異能プロ集団」イメージ
「統制されたエリート集団」イメージ
「統制されたエリート集団」イメージ

 さらにマネジメント方法には、トップダウン型かボトムアップ型のどちらが適しているかという判断も求められる。塩見氏はデジタルマーケターの組織作りを行う際、「異能プロ集団・ボトムアップ型マネジメント」を選択した。

 「統制されたエリート集団や、トップダウン型の組織は、優秀なトップがいれば、上手くいくかもしれません。しかし、変化が起き続ける業界において、トップ一人に頼るのは危険すぎます。どんなに優秀な人でも間違えることはあり、それに組織全体が巻き込まれてしまう状態は避けたいものです。このような考え方から、異能のプロが集まったボトムアップ型の組織を選択しました」

 さらに塩見氏は、「ボトムアップ型の場合、たとえ失敗をしたとしても、それぞれがオーナーシップを持ち行動したという経験が現場に蓄積される。現場力が磨かれることこそ、変化の激しい世界における強さになるのではないか」と見解を述べた。

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リクルートの分社化がもたらしたマーケターキャリアの光と影

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/29360

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