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インターネット広告の歴史と未来

ガラケーがインターネットにつながり、モバイルという新大陸が登場したことで業界勢力図も塗り替わった


 アタラ合同会社会長の佐藤康夫さんとフェローの岡田吉弘さんの視点から、携帯電話(いわゆる「ガラケー」)からスマートフォンへの変遷を振り返り、モバイルにおけるインターネット広告の歴史を見ていきます。

iモードで携帯電話がインターネットに接続可能に

杓谷匠(以下、杓谷):1999年にiモードが登場し、携帯電話からインターネットに接続できるようになりました。デスクトップではYahoo! JAPANが圧倒的なNo.1でしたが、携帯電話の世界でポータルサイトはiモード(NTTドコモ)、EZweb(au・KDDI)、Yahoo!ケータイ(J-PHONE→Vodafoneなどの流れを経てソフトバンク)の3陣営に分かれていました。当時のポータルサイトの状況を教えてください。

NTTドコモ FOMA N2102V(Wikimedia Commons)
NTTドコモ FOMA N2102V(Wikimedia Commons

佐藤康夫(以下、佐藤):私が在籍していたインフォシークは携帯電話向けの検索サービスi-seekを開発していました。また、インフォシークがディズニーに買収されたタイミングで、ディズニーの携帯電話用のサービス開発をサポートしていたことも覚えています。携帯電話がこんなに普及していたのは日本だけだったので、米国のエンジニアも日本の携帯にはとても興味を持っていました

杓谷:携帯電話用のトップページにもいわゆる「バナー広告」(予約型ディスプレイ広告)のメニューはあったのでしょうか?

岡田吉弘(以下、岡田):当時、メディアレップのメニューの中に携帯電話サイトの「バナー広告」メニューはありました。当時勤めていた広告代理店で、メディアレップに問い合わせた記憶があります。

佐藤:携帯電話で大変だったのは、とにかく機種がたくさんあることでした。NEC、富士通、シャープ、三菱電機など、ほとんど日本のメーカーが携帯電話を開発していて、モデルチェンジも早かったのでそれぞれのデバイスに合わせたデザインを工夫したり、とりわけ各機種の動作確認にとても苦労しました。

左上がモトローラ携帯電話端末の1機種、他はノキアの歴代携帯電話端末(Wikimedia Commons)
左上がモトローラ携帯電話端末の1機種、他はノキアの歴代携帯電話端末(Wikimedia Commons

iモード、auはGoogle、ソフトバンクはOvertureを検索エンジンとして採用

杓谷:モバイルにおけるインターネット広告もデスクトップと同様に「バナー広告」から始まったわけですが、OvertureとGoogleが登場して携帯電話の世界にも検索連動型広告が登場します。

岡田:私がGoogleの日本法人に入社した2006年にauのEZwebの検索エンジンにGoogleが採用されました。それと同時にEZwebでのAdWordsの提供も開始されています。Googleの検索エンジン自体は携帯電話用に「Googleモバイル」として既に提供されていましたが、当時のトラフィックは少なかったので実質的にはこれがモバイルにおける運用型広告の始まりと言っていいと思います。

佐藤:この頃になると携帯電話からインターネットに接続する人が増えてきたので、携帯電話上での検索エンジンのニーズも高まり、Googleも各キャリアと提携をはじめました。2006年末のauに続いて2008年にはNTTドコモのiモードの検索エンジンにGoogleが採用されます。NTTドコモ、auはGoogle、ソフトバンクは傘下にYahoo! JAPANがあることもあり、Overtureを採用していました

日本で最初のGoogleのCM「Google 検索ストーリー:あのひとの言葉」

佐藤:当時、携帯電話用のWebサイトにクローラーが対応できないなどの課題があって、Googleがiモードの検索エンジンとして採用された時にはNTTドコモと共同で携帯電話用Webサイト向けの検索エンジンの開発に取り組んでいました。

岡田:携帯電話時代のAdWordsの難点として、トラッキングができないという課題がありました。携帯電話向けのWebサイトではJavaScriptが動かないのでコンバージョンタグなどが作動しないわけです。

 仕組みとしてはGoogleだけでは解決できない問題でしたが、なんとかサポートしてくれないかというご要望をたくさんの広告主や広告代理店からいただいていました。しかしながら、当時は何とか進めようとしても技術的な壁自体はどうしようもなく、携帯電話市場の可能性は強く感じてはいましたが、この仕組みは継続的に成長できるものではないな、という思いが頭の片隅にいつもありました。

佐藤:米国ではBlackBerryが普及しはじめ、空港に行くとみんなBlackBerryを使っているという光景があり、AdWordsも対応していました。日本でも携帯電話向けの機能の開発強化をGoogle本社に強く依頼していたわけですが、開発スピードはまったく上がらなくて苦労しました。

BlackBerry Bold 9650(Wikimedia Commons)
BlackBerry Bold 9650(Wikimedia Commons

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この記事の著者

杓谷 匠(シャクヤ タクミ)

Jellyfish Japan株式会社 Data Strategy Director 2008年に新卒一期生としてグーグル株式会社に入社。2010年にスタートアップの立ち上げに参画したのち、しばらく川原でひざを抱える日々を経験。2013年からトリップアドバイザー株式会社にてSEMアナリスト、BIア...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/01/29 10:03 https://markezine.jp/article/detail/29571

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