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地方に学ぶ、「攻めた」クリエイティブ・企画

コラボ×地方PRで、他の都道府県と差別化!佐賀県の「サガプライズ!」の実態に迫る

佐賀県式、コラボのポイント

MZ:「サガプライズ!」は「コラボレーション」「全国での情報発信」「コラボで得られた課題と手法をフィードバック」の3つのプロセスに分かれているとのことですが、それぞれで意識していることはありますか?

中島:まずコラボレーションは、どこと組むかが重要です。最近では、様々な提案をいただくようになりましたが、すべてがコラボ実現に至るわけではありません。単なるバズを起こすのではなく、佐賀の魅力が伝わるよう形で話題が広がるコラボレーションを設計することを意識しています。

 2つ目の情報発信に関しては「自虐をしない」ということを心がけています。

MZ:地方PRでバズを生むために、自虐は比較的用いられることがあると思いますが、なぜしないのですか。

中島:自虐は一時的な話題化は狙えますが、良いイメージ醸成にはつながらないからです。県民の方も素直には喜べないですし、本当の意味での活性化につながらないと思っています。

MZ:フィードバックに関してはいかがでしょうか。

中島:フィードバックは、県内の人がプロジェクトに参加したくなるよう、巻き込むことですね。毎回新しいプロジェクトが出るたび協力をお願いしていますが、プロジェクトによっては「本当にこれやると?」「これやって人来ると?」と聞かれることもあります。そういった時に過去事例からPR効果がしっかり生まれていることをフィードバックすることで、協力的になってくれる県内企業様・団体様が増えました。その点でもフィードバックすることは非常に重要です。

MZ:岩本さんはいかがですか。

岩本:コラボをする企業やコンテンツが流行しているか、ファンがいるかどうかで、話題になるかどうかも決まるので、そこは意識していますね。

 あと、それを判断する上で消費行動力があるかないかも見ています。たとえば、コラボを検討するにあたってコンテンツの他社とのコラボイベントなどの状況を見て、実際にたくさん人が集まっているのか、コラボグッズが売れているのかはリサーチします。きちんと好きなコンテンツに対して消費行動を起こすファンがいるものとのコラボは非常に重要かと思います。

反響の大きかったプロジェクトとは?

MZ:これまで23のプロジェクトがありましたが、その中で特に反響あったものはありますか?

中島:たくさんの方が佐賀に集まったのは、アニメ「おそ松さん」とのコラボですね。ちょうど、「おそ松さん」のアニメ放送が終わってすぐに行ったもので、ファンの方がおそまつロスになっていたタイミングでした。九州にとどまらず、全国から人が集まりました。

岩本:朝早くから商店街に若い人が集まったので、地元の方も驚いていましたね。

中島:長く皆さんの記憶に残っているという点では、「ロマンシング サガ」ですかね。いろんな方などにいまだにあのコラボについて聞かれます。当時、自治体とゲームがコラボするという取り組みは珍しかったので、インパクトは強かったかと。

 この企画は東京でイベントをやって反響も大きかったため、その翌年は舞台を佐賀に移し、観光事業としてラッピング列車を走らせたり、スタンプラリーを行ったりしました。非常に息が長く、多くのファンの方に喜んでいただけている企画です。

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佐賀県がコラボで得たもの

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/29760

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