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イベントレポート

店舗の接客をデジタル上でも! 年間3,000万人がサイトを訪れるWendy’sのデジタル戦略とは


 米国時間11月7日(水)~9日(金)にかけて、エンタープライズ向けオープンソースCMS「Drupal(ドゥルーパル)」などを提供するアメリカのAcquiaは、「Acquia Engage 2018」をテキサスのオースティンで開催した。同カンファレンスより、AcquiaでCTOをつとめるDries Buytaert氏と、Acquiaの製品を活用し成果をあげているWendy’sによるセッションと、Eric Fullerton氏による製品デモンストレーションの様子をお届けする。

顧客全員にパーソナライズされた体験を Wendy'sが目指すCRMとは

 デジタルアナリティクスの統括とECサイト「Wendy’s.com」の製品責任者をつとめるMichael Mancuso氏はWendy’sに入社以来、パーソナライゼーション、分析、CMSの活用などを通じ、Wendy'sのブランドをリアルだけでなく、デジタルにまで拡大することに注力してきた。

 そんなMichael氏は、2018年のはじめ、カスタマジャーニーに応じたレコメンドを行う「Acquia Lift」をWendy’sで導入。Acquia Liftは、コンテンツの作成からデータの収集、パーソナライズまでをひとつのインターフェイス内で完結することができるほか、ユーザーの行動に基づいたコンテンツ配信を行うレコメンド機能、リアルタイムの顧客ターゲティングなどの機能を搭載している。なおWendy'sはおよそ3ヵ月ほどで、すべてのコンテンツをAcquiaのプラットフォーム上へと移行した。

ウェンディーズ デジタルプロダクトオーナー Michael Mancuso氏

Wendy's デジタルプロダクトオーナー Michael Mancuso氏

 アメリカの人口のおよそ10人に1人、約3,000万人が毎年ウェブサイトを訪問するというWendy’sのこれまでの業績は「とても順調」と話すMichal氏。Acquia Liftの役割については次のように語った。

「Wendy’sでは、Acquia Liftを使用し、顧客にアプローチする方法の改善を常に行っています。これが、私たちの成功要因のひとつですし、デジタル上でカスタマージャーニーを描くうえでも、Acquia Liftがとても重要な役割を担っていると考えています」

 中でも、Michal氏がWendy’sのデジタル戦略におけるキーワードとして挙げたのは「パーソナライズ」だ。

「たとえばWendy'sの店舗を訪れた時、店員はすでにあなたのことを知っているだけでなく、その好みやWendy'sにまつわるエピソードまで把握しています。これが、お客様がWendy'sをまるで家族のように感じる理由のひとつにもなっていると思います。

また、Acquia Lift上でコンテンツの閲覧履歴や商品の購入履歴などのデータが収集されていくと、看板やサイネージといった伝統的な方法を使わなくても、情報をパーソナライズした状態で顧客に届けることができる。すると、『今日はいつものメニューではなく、スペシャルメニューを頼んでみるのはどうですか?』といった、いままでは店舗でしかできなかった顧客の好みを把握した上での提案を、オンライン上でも行うことが可能になります。Acquia Liftによって、店舗で行っていたことがデジタル上でも再現できるようになりました。これは、Wendy’sにとってもはじめてのことです」

 Acquia Lift導入の成果をMichal氏は以下のように述べ、本セッションを締めくくった。

「私たちはAcquia Liftによって、デジタル上の顧客の動きのほとんどを把握することが可能となり、それに基づいた改善を行うこともできるようになりました。すでに、ウェブサイト上でのエンゲージメントやコンバージョン率の改善などに繋がっていることもわかっています」

パーソナライズ化のポイントは「リアルタイム」

 続いて登場したのは、Eric Fullerton氏。Acquiaの製品やそれらのパーソナライズでの活用支援を統括するマーケティングマネージャーである。Eric氏は「私たちは、パーソナライゼーションに関する多くのことをWendy'sから学びました」と前置きし、2019年の初めにバージョンアップを行うAcquia Liftの新機能や強化される機能などについて説明を行った。

Acquia プロダクトマーケティング マネージャー Eric Fullerton氏

Acquia プロダクトマーケティング マネージャー Eric Fullerton氏

「まず私たちは、パーソナライズ化された体験を顧客に提供することがどんな意味を持つのか、ということの根本から考え直しました。そこでたどりついたのは、キャンペーンの構造をさらに単純化する、ということです。来年のバージョンアップによりマーケティング担当者は、開発者のリソースを必要とすることなく簡単にパーソナライズを行ったり、リアルタイムでキャンペーンを作成することも可能になります。それは単なるUIの変更にとどまらないということを、今日は明確にしたいと思います」

 そう述べたEric氏は、Acquia Liftの新しいダッシュボードを公開。マーケティング担当者がキャンペーン作成をより簡単に行うことができる新機能についても、デモンストレーションを行った。それによれば、Acquia Liftを使うことで、顧客ごとにそれぞれ異なったページをユーザーに見せることができるという。

「ここで重要なのは、それらの作業をすべてリアルタイムで行うことができるということ。Acquia Liftで私たちが集めたデータに基づいて、一人ひとりの顧客に合わせた異なる体験をデジタル上でも提供することができます」

Eric氏は、Acquia Liftを活用し、Twitterを起点にしたカスタマージャーニーの描き方についても解説を行った

Eric氏は、Acquia Liftを活用したカスタマージャーニーの描き方についても解説。図はTwitterを起点にしたもの。

 最後にEric氏は、Acquiaが提供する製品の魅力と今後の抱負について以下のように語った。

「カスタマージャーニー全体を最適化しようと考えている企業や組織は、Acquia Liftだけでなく、顧客体験を最大化するための『Acquia Journey』などもあわせて活用することで、新たな顧客との接点を得ることができるのではないでしょうか。Acquia Liftをはじめ、マーケティングのハブとなる私たちの製品を、これからさらに皆さんと共有していくことができたらと思っています」

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この記事の著者

中村 直香(ナカムラ ナオカ)

編集部。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2018/11/28 16:48 https://markezine.jp/article/detail/29814

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