CEOに聞く、日本法人を設立した理由とは
――今年Acquiaは新たに日本法人を設立されました。その経緯についてお聞かせください。
Michael 数年前からすでに日本にもパートナーがおり、ビジネスをしていました。日本についてはまず何よりマーケットが大きいということです。世界に名を知られている企業や競合企業も多く、たくさんの機会が日本にはあると思っています。今までなぜなかったのかと思うくらいです。
――これからどうやって、AcquiaとDrupalを広げていきたいとお考えですか?
Michael オープンソースCMS「Drupal」が稼働するためのプラットフォームである我々Acquiaは、その上にあるほかの製品においても、顧客が期待する価値を提供できる、強力なソリューションであると自負しています。私たちにとって、パートナーの存在は非常に重要です。これから皆さんと一緒に、AcquiaやDrupalをはじめとした様々な製品を広めていきたいと思っています。
アステラス製薬も導入 Acquia製品の最大の強みは「フリーダム」
──まず最初に、Acquiaとはどういった会社ですか?
Dries Acquiaはテクノロジーの会社です。デジタルエクスペリエンスを顧客に提供するためのプラットフォームを開発しており、そのうえでウェブサイトの構築や最適化も行っています。
私たちはオープンソースのCMS「Drupal」と、クラウドが合体したプラットフォームを提供しています。他のCMSですと、オンプレミスかクラウドかを選ぶこともできますが、私たちはクラウドのみを扱っています。そのプラットフォームの上に、マルチサイトの管理を行う「Acquia Cloud Site Factory」や顧客体験を最大化するための「Acquia Journey」、それぞれのカスタマージャーニーに応じたレコメンデーションを行うことができる「Acquia Lift」などの製品があります。
――Acquia製品の特徴について教えてください。
Dries Acquiaの製品は、"オープンソース“のDrupalをベースにしているので、何千もの人が開発に関わることができます。そのため、通常よりもとても早いスパンでイノベーションを起こすこともできるのが、特徴のひとつでしょう。
またDrupalを軸に、他の製品をエンタープライズ向けに適合させることも可能です。そのために不可欠なのが、セキュリティと拡張性。このふたつをオープンソースではなかなか同時に実現することが難しいのですが、私たちはそれらを両立できるからこそ、大企業向けに製品を提供することができるのです。
たとえば日本の企業で言うと、アステラス製薬や海運業者のオーシャンネットワークエクスプレスなどがAcquiaのお客様です。これらのケースではまさしく、オープンソースによるイノベーション、セキュリティ、拡張性、クラウドというコンビネーションがぴったりとマッチしました。
――Acquiaの強みはどういった点にあるとお考えですか?
Dries 私たちが提供しているいちばんの価値は「フリーダム」であることだと考えています。このフリーダムという言葉にはクリエイティビティやインテグレーションなど様々な要素があります。たとえば、ウェブサイトを数百個作ったとしても、オープンソースなので「フリー」に構築することができる。さらに、Acquia Liftなどの製品と製品とを掛け合わせることも可能なので、お客様にとっては制限なく、やりたいことにチャレンジしていただけるのではないでしょうか。