業界ごとの購買モデルをパッケージ化
同社ではUNIVERSEを活用して、業種ごとに特化したソリューションを増やしている。たとえば、自動車業界向けの「Ignition(イグニッション)」や食品・飲料業界向けの「Pantry(パントリー)」。コスメ美容業界に特化した「Vesta(ベスタ)」もリリースした。業界ごとにソリューションを作った狙いは、「どういう行動が購買と相関するか」という購買モデルが業界ごとに異なるためだという。
たとえば化粧品の購買について様々な行動との相関をとったとき、何かに「ときめいている」気持ちの人は、そうでない人に比べてCTRや購買率が高いことがわかっている。それならば、普段よりときめいた気持ちの人に広告を配信すればよい。
購買行動を業種別に明らかにしていくと、一見結びつきのないように見える行動同士が紐づいていく。すると人間の様々な側面が見えてくるという。たとえば、ある人が車を買い替えて、ファミリーカーを使用し始めた。これを別の軸で分析すると、子どもが生まれていたり、結婚していたりというライフイベントが垣間見えることがあるそうだ。こうした分析を人間がやるのはリソースやコストを考慮すると現実的でないが、AIに任せると、高い精度で行動につながりが見えてくる。マーケターが現場でやっていることと近いことを、AIがやってのけるのだ。
また、人間の消費行動は、同一人物であっても、気分の高まりやライフイベントによって左右される。休みの日と、仕事終わりで疲れているときでも違う。「その時々によって異なる実際の一人の人間の消費行動全体をデータベース化して、業種別に最適な形で活用できるようにしていきたいのです」と、渡辺氏は業種別ソリューションが目指すものを語った。
