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MarkeZine✕立教大学産学連携企画!学生の疑問をマーケティング視点で解く

ラジオがデジタル世代に刺さるニューメディアに?radikoの運営状況、新たな広告商品に学生が迫る

 立教大学で経営・マーケティングを学ぶ佐々木ゼミの学生が企画からインタビュー、執筆を行う本連載。この記事では、スマートフォンやパソコンなどでラジオが聴けるサービス「radiko(ラジコ)」を運営するradikoの代表取締役である青木氏に取材を行いました。昨今、スマートスピーカーなどの登場で注目が集まる音声コンテンツの1つであるラジオ。「radiko」はどのような可能性をもたらすのか、様々な視点から聞きました。

ラジオのデジタル化が進んだ理由

――まず、「radiko」の生まれた背景について簡単に教えていただけますか。

 ラジオを通信で聴取可能にするべく、在京ラジオ7局と在阪ラジオ6局、電通などが集まってできたIPサイマルラジオ協議会という組織がradikoを新会社として立ち上げました。私も元々は電通のラジオ部門に所属し、そこから現在に至っております。

 株主構成を見てもらえればわかりますが、先述の協議会の会員であるラジオ局はもちろん、多くのラジオ局にご出資いただき、radikoは成り立っています。

株式会社radiko 代表取締役社長 青木 貴博氏

 また、立ち上がった背景の一つにラジオ広告における収益低下があります。電通の「日本の広告費」によれば、1990年代後半には約2,400億円近い売上があったのに対して、近年では約1,200億円と市場が半分くらいに縮小してしまいました。広告売上の減ってしまった背景としては、リスナー自体の数も半分くらいになってしまったことです。その状況を打開するには、やはりこれまで以上に多くの人に聞いてもらう必要がありました。そのために「radiko」は生まれたのです。

――リスナーを呼び戻す、新たに獲得する必要があったとのことだと思いますが、我々のような学生もターゲットに含まれていますか。

 もちろんです。「radiko」が誕生するまでラジオで聴いてる方の多くは比較的ご年配の方で、皆さんのような大学生は少なかったと思います。それはラジオを聴ける機器を所有している人が少ないからです。ましてや現在はスマホ1台あれば欲しい情報が大体手に入ります。

 ただ、スマホが普及したことで若い方に「radiko」を使ってもらうチャンスが生まれたわけです。現状、利用者のボリュームゾーンとして大きいのはこれまでラジオを聞いてきた中高年層ですが、今後リーチを広げようとは考えています。より多くの方にラジオのコンテンツを聞いてもらい、ラジオという媒体の広告価値を高めたい。そして業界全体に収益を還元したいというのが我々の考えです。

「radiko」の誕生で生まれた価値

――確かにデジタルデバイスでラジオのコンテンツが手軽に聞けるのは良いですね。デジタル上でのラジオ聴取を可能にしたことで、新たに生まれた価値はありますか?

 まず、全国各地の放送局の番組が聞けるようになったということですね。これまでは、各地域での放送の権利を持っているラジオ局が、その地域だけで番組を流していた。しかし、インターネットを通じて配信できるようになったことで、日本のどこからでも聞いてもらえるようになりました。

 それが、自身のエリア外の番組視聴をするための有料会員「radikoプレミアム」です。

――現在その会員数はどの程度なんですか。

 現在約57万人が登録しています。これは我々の事業にとって非常に重要です。会員の方により素敵なラジオ体験を提供できるよう、2年前にはタイムフリーという聞き逃した番組も聞ける機能を追加しています。

――ちなみに、アプリのユーザー数の状況はどうなっていますか?

 現在月間アクティブユーザーは700万、デイリーアクティブユーザーは120~130万前後で推移しています。

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この記事の著者

立教大学佐々木ゼミ取材班(リッキョウダイガクササキゼミシュザイハン)

立教大学 経営学部 佐々木宏教授のゼミ生で構成した取材チームです。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/02/19 08:00 https://markezine.jp/article/detail/30279

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