LINEのフルファネルマーケティング
LINEが提供する「LINE Biz-Solutions」は、「LINE Ads Platform」と「LINE Sales Promotion」、そして「LINE Account Connect」の3つの主要サービスで構成されるソリューションだ。「LINE Ads Platform」はLINE各種サービスへの広告配信ができるというもので、認知拡大や理解促進といったリーチを高める役割を担う。「LINE Sales Promotion」は店頭販促サービスで、来店や購入のきっかけ作りとして機能する。LINE公式アカウントをベースに顧客と企業の距離を縮めるのが「LINE Account Connect」だ。ファン化や継続購入といったエンゲージメントを高める効果が期待できる。
LINEは「LINE Biz-Solutions」により、フルファネルのマーケティングプラットフォームとしてサービスを展開しているが、導入企業ではファネル内のどこでどのようにLINEを利活用しているのだろうか。エステティック事業を手がけるTBCと、化粧品メーカーであるロクシタンの事例を見ていこう。
TBCでは「体験獲得」に活用
「今やLINEはプロモーションに欠かせない媒体になっている」。そう語るのは、TBCグループ 取締役の長田佳敏氏。TBCがLINE公式アカウントを開設したのは、2015年。「LINEポイント ビデオ」や「LINE ビジネスコネクト」などの導入からスタートした。現在では、新規顧客獲得に「LINE Ads Platform(以下、LAP)」を中心に活用している。
TBCのビジネスモデルでは、ファネルは4段階に分けて考えられるという。まず、サービスや商品について広告を通じて伝える「ブランド認知」。次にエステの体験コースを予約してもらう「体験獲得」。そして、体験コースにより来店した顧客にパッケージのコースに申し込んでもらう「契約」。最後は継続してコースに通い続けてもらう「リピート」だ。
「ブランド認知」と「体験獲得」までが宣伝が担う領域。「契約」と「リピート」については、フェイス・トゥ・フェイスのカウンセリングビジネスであるが故に、基本的に店舗スタッフのコミュニケーションに委ねられる部分が大きい。
宣伝領域において、「ブランド認知」にはテレビCMや屋外広告をメインに展開している。「体験獲得」の部分で、「LAP」や「LINEポイント ビデオ」といったLINEのソリューションが機能しているという。LINEを導入した理由について、長田氏は「我々は全国で約200の店舗を構えているため、相当数の獲得が必要。それができる媒体は限られており、リスティング広告やSNS広告に引けを取らないボリューム感があるのがLINEである」と述べた。長田氏は、LINEには3つの強みがあると考えている。