アジャイルメディア・ネットワーク(以下、AMN)は、「クチコミ接触者の購買転換率調査」を行い、SNS・業種別にクチコミ(個人からの情報発信)が購買に与えている影響を分析した。
今回AMNはWebアンケートを利用し、4,331人の1次回答者の中から、「何らかのSNSを利用している」と回答した3,881人を抽出。そこからさらに、SNS利用者1,112人を、性別・年齢分布を軸にスクリーニングし、2次アンケートを実施した。
クチコミを起点に最も購買・来店につながるのは「食料品」
はじめに、SNS上のクチコミに接触し、購買や来店につながったことがある業種を調査。その結果、最も回答が多かった業種は「食料品」で、「化粧品」「ファッション」がこれに続いた。
今回の調査では、「クチコミを見たことで、購入・来店に至ったかどうか」を尋ねているため、「不動産」「自動車」「旅行商品」などは購入頻度が少なく、購入経験者が少ない業種の回答率は低くなる傾向にある。
なお、「過去半年以内にクチコミを見たことがあるメディア」という質問に対する回答数が多かったのは、上から順にLINE、YouTube、Twitter、Instagram、Facebook、ブログとなった。
Twitterでは、低単価のものが購買につながりやすい傾向に
SNS別に購買転換率を見ると、Twitterにおいては、特に「飲料(アルコール類を除く)」「食料品」「コンビニ」などが平均よりも高い購買転換率となった。Twitterは頻繁に投稿しやすいという特徴を持つため、低単価で頻繁に購入する商品の購買転換率が他のサービスに比べて高いことが明らかになった。
Facebookでの購買転換率が高いのは「アルコール」「ガジェット」類
一方で、Facebookにおいては、「アルコール飲料」「デジタルガジェット」「自動車」「旅行」「スポーツ用品」などが他のサービスに比べて高い数値を出した。Facebookの利用者属性は、比較的会社員が多いと言われており、その傾向が購買転換率にも表れたと推測される。
YouTubeでは「ゲーム」「スマホアプリ」がトップ
また、YouTubeでは「ゲーム・玩具」「スマホアプリ」の数値が極端に高く、それに「デジタルガジェット」「家電」などが続いた。これには、YouTuberが紹介する商品の傾向やゲーム実況の影響などが背景にあると考えられる。
LINEでは、幅広い業種でクチコミ効果を発揮
さらに、LINEはほとんどの業種が平均に近い数値となった一方で、特に「飲料」の購買転換率が高いことが判明した。LINEでは、タイムライン投稿型の飲料のクーポンキャンペーンが多く実施されており、その効果が反映されていることが考えられる。
ブログでは「家電」が圧倒的
なお、ブログでは「家電」が突出して数値が高く、「日用品」「デジタルガジェット」「化粧品」「旅行商品」などがそれに続いた。他のソーシャルメディアに比べ、ブログは検索や他のソーシャルメディア経由で接触することが多いため、比較的単価が高く、購入前に比較検討する商品が高い結果になったと推測される。
Instagramは、視覚的な訴求も購買に寄与
最後に、Instagramにおけるクチコミの効果を調査。Instagramは、偏差値ベースで全体的に高い購買転換率を示した。「ファッション」「化粧品」以外にも、「食品」「飲食店」「映画・テーマパーク」「百貨店」「旅行」など、写真を見るだけで良さが伝わりやすい商品カテゴリーにおいては、概ね購買転換率が高い結果になった。
【調査概要】
調査期間:2019年1月18~21日
調査対象:SNS利用者1,112人のうち過去半年以内にクチコミ(個人からの情報発信)をSNSで見たことがある人
有効回答数:883人(1,112人中79.4%)
調査対象サービス:Twitter、Facebook、Instagram、LINE、YouTube、TikTok、ブログ
調査方法:Webアンケート
分析:アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 リサーチプロジェクト
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