生活時間帯を意識したコンテンツの更新を行う(ケーススタディ1「R25式モバイル」)
【サイトデータ】
サイト名:R25式モバイル
サイト開設:2005年7月7日サービス開始
ターゲット:20代から30代半ば男性。ビジネスマン
概要:20~34歳の男性をメインターゲットにしたポータルサイト
企業名:株式会社リクルート


男性ユーザーにとっての携帯の入り口に
R25式モバイルは、M1層と呼ばれる20~34歳の男性をターゲットとした一般サイトの携帯ポータルだ。
首都圏を対象に、地下鉄などで配布されているフリーマガジンとして有名なR25。その名前を冠するR25式モバイルは元々はR25と別プロジェクトとして立ち上がったという。携帯サイトのビジネスモデルが、公式サイトから一般サイトへと大きく変遷する中で、モバイルで生活情報を集めて、そこにユーザーを集めた広告ビジネスによるサイトを立ち上げることができないかという企画が持ち上がる。
ビジネス的な背景では学生や女性をターゲットとした携帯サイト、媒体は多く存在したが、M1層とした有力な携帯サイトが存在せず、また広告主の需要も高かった。ちょうど2004年にスタートしたR25が購読者を増やしていたことや、サイトのコンセプトと合致したことから。このプロジェクトは R25式モバイルという名前でサービスを始めることとなる。
M1層のニーズを考え抜いてつくられたサービス
Yahoo!モバイルは全てのユーザーが対象であるのが特徴であり、強みであるのに対して、R25式モバイルはM1層、なかでもビジネスマンというターゲットに絞り込み、彼らに毎日アクセスしてもらうためのコンテンツはどういうものか?という視点で考えられた。
フックとなっているのは、コンテンツのラインナップの多さと無料であること。ニュース、交通情報、天気予報、映画情報、テレビの番組表、占い、着メロ、番号案内、辞書など携帯ポータルと呼ぶのにふさわしい機能が一通り揃っているが、中でも上質な暇つぶしがひとつのテーマとなっているという。
これら多くのコンテンツの中でも特に、ニュースの編集やスポーツのリアルタイム性にこだわっており、サッカーや野球などのリアルタイムのスポーツ速報が特に好評となっている。
自分たちでも使いやすいサービスをつくる
R25式モバイルを制作するにあたって考えられたのは、サービスの受け手と同じ年齢層である制作者にとっても使いやすいものをつくろうということだった。広告ビジネスを目的としたサイトでは、ベージビューがサイトにとっての大きな指針のひとつとなる。ページビューを増やすためには、多くのページを用意し、ひとりのユーザーになるべく多くのページを閲覧してもらうほうが良い。
しかしR25式モバイルでは、目的ページまでの画面数をなるべく減らし、トップページから簡単にいろいろなコンテンツにアクセスができるようにした。そのほうが若年層ほど携帯リテラシーの高くないターゲットユーザーにとっては利便性が高いと考えたためである。同様に、ページを軽くすることでサクサクと操作できるように、1ページあたりの文字量も800文字程度に抑えるというサイト設計がなされている。
時間帯の概念をサイトに取り入れ、一日3回コンテンツを更新
去年の7月にはサイトをリニューアルし、時間帯という概念をサイトに持ち込み、朝昼夜とコンテンツを3回更新するようになった。その結果、一日 2回以上アクセスするユーザーが15%増え、半分以上のユーザーが一日2回以上アクセスするようになった。ユニークユーザー数は現在160万人に達している。
携帯サイトは通常、土日、深夜帯にアクセスが多くなるが、R25式モバイルでは、22時を中心に帰宅時間帯が夜のアクセスのピークとなる。また朝の通勤時間帯は瞬間的には夜間と同じくらいPV(ページビュー)があり、土日よりも平日にアクセスが多いなど、他の一般的なサイトとは傾向が全く異なるという。
サイトリニューアルにより、各時間帯によって以下のような工夫がなされている。朝は利用者が多い反面、ひとりあたりの閲覧数が最も少ない時間帯であるため、多くの人が短時間にみたいニュースや乗換案内への導線が強化された。昼はひとりあたりの閲覧数が最も多い時間であることから、楽しさや息抜きとなるコンテンツを充実させている。夜間は時間あたりの利用者が最も多くなる時間帯であり、スポーツ速報や芸能情報、映画情報などのエンターテインメント系コンテンツを充実させている。
※続きは実際に本を読んでみてください。詳細はこちらから→amazon.co.jp/seshop.com