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第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

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日本郵便「デジタル×アナログ」実証実験プロジェクト(AD)

「印刷は新たな武器に」オフラインメディアの進化がデジタルマーケターにもたらす恩恵とは

未来の印刷が可能にすること

――デジタルテクノロジーとデータが無縁に見えた紙媒体も、これらの組み合わせによって進化しているのですね。

岡本:紙媒体がデジタルとつながったのは一例に過ぎません。私としては、すべてのリアルメディアがデジタルとつながった状態にしていきたいと考えています。

 たとえばDOOH(デジタル屋外広告)。せっかくデジタルとリンクとしているのであれば、その前後にトリガーとなるメディアを使えばさらに踏み込んだ施策ができます。そこで、紙の中にRFIDを盛り込んだり、RFIDそのものを通電性インクで印刷したりするといった研究も進めています。実現できれば、その紙を持っているだけでOOHに近づくとDOOHの内容が変わるというのも可能です。

 すべてのメディアはデジタルの上に成り立つ世界ができると、鈴木さんの唱えるオムニメディアの世界観はより現実味を帯びてくると思います。

――すべてのメディアがデジタルとつながる世界になると、より柔軟なプランニングが可能になるということでしょうか。

鈴木:第5世代移動通信システム(5G)の実現、IoT化が進むとデジタルでつながっていないものは極端に少なくなると思います。接点がリアルかデジタルかの違いなだけで、どちらでも柔軟に条件を可変させてコミュニケーションが取れるはず。その頃には、オンラインとオフラインの統合は当たり前となっているでしょうね。

デジタルに閉じないプランニングを

――最後に、今後のDM、紙媒体がどうなっていくかについてお伺いできますか。

岡本:先ほどのRFIDの事例も1つですが、紙が何かしらのアプリケーションとしての機能を持つようになるといいですね。そうすることで、紙からデータを取得しやすくなるので。

鈴木:そうなると私もいいなと思っています、現状はQRぐらいしか選択肢がないですから。もちろん、QR自体をパーソナライズして個別の情報を入れることができるのですが、QRを読み取るという行為に対するハードルの高さを解消するのは大変ですから。そこに代わる読み取り技術が低コストで実現できると、紙メディアの活用方法は広がるはずです。

岡本:あと、しつこいですが印刷とデジタルがつながっているということは、ぜひマーケターの皆さんに認識していただきたいです。我々は、インフラとして安定した供給と可変性の高さを追い求めていきます。その分、マーケターの方々には生活者をワクワクさせる活用のアイデアを考えていただき、新しいコミュニケーションについて議論できれば嬉しいです。

鈴木:今回の連載では、オムニメディアとタイミングマーケティングをキーワードに解説してきましたが、紙メディアを含めEメールやデジタル広告以外でもデータドリブンでPDCAを回せるようになっています。読者の皆さんはデジタルに閉じず、アナログとデジタルを統合したプランニングについて考えるようになっていただけたら幸いです。

過去2回の記事でデジタル×アナログのさらなる理解を

 今回の記事は3回連載の最終回となっております。デジタル×アナログについてより詳しく知りたいという方は、ぜひ過去2回の記事もご覧ください!

第1回:日本郵便の実証実験プロジェクトから見る「デジタル×アナログ」の未来と活用
第2回:「デジタル×アナログに必要なのはタイミングマーケティング」 その重要性と方法に迫る

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:17 https://markezine.jp/article/detail/30536

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