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13年連続で加入件数UP!WOWOWのコンタクトセンターが取り組む顧客データ一元化と「生の声」重視

ファンを作り出す方法は既存ファンに聞いてはじめてわかる

 サービスのファンを増やしていくには、既存のファンが「なぜ好きでいてくれるのか」を知ることが手掛かりになる。しかし、その理由を既存のコールセンターやデジタルの接点から把握するのは難しい。

 「お客様がサービスを契約する時と解約する時には接点があるものの、その『真ん中』がわかりづらいことが課題になっていました。なぜ好きでいてくれるのかを、わざわざ教えてくれる人はいません。生の声に触れ続ける理由は、お客さまの『なぜ』を直接聞くことができるからです。私たちは、ここに可能性があると思っています」(杉本氏)

 そこでWOWOWは、コンタクトセンター内での新しい取り組みとして、無償で月2回のアンケートに回答してくれる協力的なファンを集めた組織「WOWOWファンボイス(以下、ファンボイス)」を設立。「ファン化」のプロセスに迫っていった。

 ファンボイスで明らかになったのは、水際でのリテンション施策で思いとどまってもらっても、そこからファンになる人はごく少数だったということ。よって現在は、電話やメールなど様々な接点を通じてより早い段階でのリテンションを行い、特定の番組に依ることのない「WOWOWブランド」を好きでいてくれるファンを増やすことを意識している。

 また、継続的なファンへのアンケートを基に、WOWOWが打ち出すメッセージを変える動きが生まれるなど、「顧客と一緒にサービスを進化させていく」基礎が出来上がりつつあるという。この取り組みは好評で、ファンボイスのメンバーからの要望によって、ファンミーティングも開催された。

 ファンボイスで行う調査は、外部の調査会社に委託するのではなく、WOWOWグループ社員が自ら取り組んでいる。これにより、出てきた結果を自分事として捉えられるようになるそうだ。

 「この施策で、我々のマーケティングは変わりました」と杉本氏は手ごたえを語った。

デジタルのログと生の声で顧客を捉える

 デジタルマーケティングとコールセンターで「加入・解約改善」を行い、ファンボイスによって「WOWOWの良い部分」「ファンを増やすために伸ばすべき部分」を把握する。WOWOWのコンタクトセンターは、これら3つの接点が揃って初めて完成するのだという。杉本氏はWOWOWのマーケティングが目指す姿を次のように述べ、セッションを結んだ。

 「デジタルマーケティングによって顧客全体像の8割を掴み、残りの2割をコールセンターとファンボイスで補足していく。デジタルのログのみからお客様を捉えるのではなく、『データと声』によって気持ちを汲み取ることが大切だと考えています。これが実現できる新しいコンタクトセンターを最大限活用し、ファンと共創する放送サービスを目指していきます」(杉本氏)

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この記事の著者

大木 一真(オオキ カズマ)

モジカク株式会社 代表取締役。株式会社サイバーエージェントに新卒で入社し、Webメディア「新R25」の立ち上げにディレクター兼編集職として参画。Webマーケティングを手掛ける株式会社AViC(2022年7月に東証グロース市場へ上場)の創業期に参画し、執行役員を務める。2019年1月にBtoBサービスやSaaSの導入事例の制...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/04/24 07:00 https://markezine.jp/article/detail/30696

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