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Salesforceユーザーのためのマーケティングオートメーション「Salesforce Pardot」の魅力(AD)

「15分のタイムラグ」の解消でアポイント獲得数が2倍に/ロックオンが新たなMAの導入を決めた理由

 獲得したリードを案件化するためには、マーケティングチームとセールスチームの連携が欠かせない。ロックオンでは両者の連携を強化するため、セールスフォース・ドットコムが提供するMA「Pardot(パードット)」を導入。運用開始からわずか1ヵ月で、獲得リード数が3倍強に、アポイント数は2倍に増えたという。同社でセールス部門を統括する水野聡志氏と、マーケティング部門を統括する吉本啓顕氏に、Pardot導入に至った経緯と具体的な施策内容を聞いた。

MAとSales Cloudの連携不足がネックに

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに、お二人の自己紹介をお願いします。

水野:営業本部の水野です。この4月までマーケティングプラットフォーム「AD EBiS(以下、アドエビス)」の新規導入を担うセールス・マーケティング本部を統括しており、「Pardot(パードット)」の導入にも携わりました。セールス・マーケティング本部では、営業部門とマーケティング部門があり、マーケティング部門ではネット広告や展示会など、オフライン・オンライン双方からのリード獲得を行い、その後のアポイント獲得や商談を営業部門が担当します。

吉本:マーケティング本部の吉本です。2009年に新卒で入社し、エンジニア、営業を経て、アドエビスの製品企画やブランディングを担当。今年4月より、マーケティングを統括する立場となりました。

株式会社ロックオン 執行役員 営業本部 本部長 水野聡志氏(写真左)/株式会社ロックオン マーケティング本部 マーケティング部 部長 兼 プロモーション課 課長 吉本啓顕氏(写真右)
株式会社ロックオン 執行役員 営業本部 本部長 水野聡志氏(写真左)
株式会社ロックオン マーケティング本部 マーケティング部 部長 兼 プロモーション課 課長 吉本啓顕氏(写真右)

MZ:どのような課題感、狙いをもってPardotを導入されたのでしょうか?

水野:Pardotを導入した背景には、大きく2つの理由があります。1つは、元々別のMA(マーケティング・オートメーション)を導入していたのですが、営業部隊で使っているSales Cloudとの連携が不十分である点に課題感を抱いていたためです。

 マーケティング部門がMAを活用してリードを獲得すると、連携しているSales Cloudにもリード発生の通知が行くのですが、システム上の問題で15分ほどのタイムラグが発生していました。わずかな時間ではあるものの、このタイムラグが成果に大きな影響を与えていたのです。

「15分のタイムラグ」が最適なタイミングを逃す

MZ:どういうことでしょうか?

水野:今まで、インサイドセールスが1日数十件架電しても、先方が不在であることがとても多かったのです。なぜかというと、この15分のタイムラグにより、リードが発生したタイミングで電話ができていなかったためです。つまり、資料請求が発生した時=担当者が席にいるタイミングでアプローチできていなかったんですね。

MZ:なるほど。確かにそれを聞くと15分のタイムラグは非常に大きいですね。2つ目の理由はなんでしょうか?

水野:2つ目は、Sales Cloudを約7年間使っており、データベースには約3万人の見込み顧客データが蓄積されていました。このデータをなんとか有効活用したいと思い、Pardot導入を決めました。

MZ:新たなMAを導入するということで、導入時、現場からの反発などはなかったのでしょうか。

水野:特になかったですね。PardotとSales Cloudはシームレスに連携できるので、むしろ営業側からは歓迎されました。

タイムラグの解消でアポイント獲得数が2倍に

MZ:導入後、実際にどのような効果が出たのでしょうか?

水野:正直、想定以上の効果が出ています。それも導入後1ヵ月という短期間で明確な成果が出ました。3月の実績でいうと、半年前に比べて広告予算が3分の1になったのに対し、獲得リード数が3倍強、アポイント数は2倍に増えました

 今期はプロモーション手法自体を変えたので、広告予算、獲得リード数を大きく改善できたのに加え、Pardotを活用したことでアポイント数を2倍にできたという非常にいい流れを作れたかなと思います。

MZ:すごい成果ですね。

吉本:Pardot導入のタイミングでホワイトペーパーのコンテンツ内容にも工夫を加えたので、その影響も大きかったと思います。これまで、ホワイトペーパーは製品情報をまとめるなど、「アドエビスの購入を既に検討されているお客様」に向けたコンテンツとなっていました。潜在層ともコミュニケーションを図るべく、新たにマーケティングトレンドなどの周辺情報を提供するコンテンツを増やしたところ、獲得リード数の増加につながりました。

MZ:課題であったタイムラグはどうなったのでしょうか?

吉本:PardotとSales Cloudの連携によりタイムラグはなくなり、リード発生後3分以内に架電できるようになりました。これにより、架電接続率が劇的に改善しました

 また、Salesforce Engage機能を利用し、見込み顧客3万人のなかで、今なら提案を受けてくれるのでは、という見極めができるようになりました。Salesforce Engage機能とは、見込み顧客リストに入っているお客様が弊社のいずれかのWebサイトに訪問した際に通知してくれるというものです。弊社のWebサイトに能動的にアクセスしてきたということは、何か課題が生まれ、解決策を探しているフェーズと推測できるので、ニーズが発芽したタイミングでアプローチができる。そうすると、当然お話を聞いていただける確率が高まります。

 Pardotが本領発揮する、見込み顧客の育成にはまだ活用できていないのですが、まずはニーズの発生タイミングを確実に掴んでいけるような体制を整えたいですね。

Salesforce Engage機能で提案の品質を底上げする

MZ:お客様が閲覧されたコンテンツによって、テレアポ時のトーク内容を変えたりしているのでしょうか。

吉本:いえ、閲覧コンテンツごとのトークスクリプトは特に用意していませんでした。閲覧したお客様の過去データはSales Cloudに記録されているので、その内容をベースにお話しする形ですね。閲覧コンテンツにごとに細かくトークを分類するような作業をしなくても、第一歩としては十分な成果が出たと思います。

MZ:実際に使用されているインサイドセールスの現場からの評判はいかがでしょうか。

水野:すごく良いですよ。Salesforce Engage機能に対する評判が特に良いですね。テレアポって、正直しんどいじゃないですか。とにかくつながらないですし、お客様が求めているタイミングでなければ、なかなか話を聞いてもらえない。

 Salesforce Engage機能は、基本的にお客様からの能動的なアクションがベースにあるので、こちらからの話にも興味をもってご対応いただけます。インサイドセールスメンバーのストレス軽減につながっているかなと思います。

 効果を発揮した具体的なシーンとしては、たとえば過去の初月無料キャンペーンに登録された方がWebサイトに再訪された際には、過去の対応内容を即座に把握し、適切なアプローチを行うことができました。また過去に失注した案件において、一定期間経過後に急にEngageアラートが上がり、アプローチしたら短期間で受注商談につながったという実例もあります。

MZ:インサイドセールス以外での活用は考えていますか。

吉本:Salesforce Engage機能は、フィールドセールスの提案品質を底上げするのに寄与できるかなと思います。お客様がどのようなコンテンツを閲覧されたのかがわかるので、お客様が気になっているものや、抱えている課題感を読み取ることができます。営業の仮説の精度を高められるので、お客様ごとに最適化された提案ができるかなと。

ニーズが発芽したタイミングを逃さない

MZ:Pardotを導入して得られた気づきがあれば教えてください。

水野:気づきでいうと、「ニーズは勝手に育つ」でしょうか。特にBtoB領域だと起こりやすいのかなと思います。まったく手応えのない案件が、3ヵ月後にいきなりニーズが発生して、すぐ成約するということも起こり得る。これは、自分に置き換えても実感するところです。昨年12月にPardotを導入したのですが、意思決定したのが11月。そこに至るまで、特にナーチャリングされたという感覚はないんです。

 でも、あるとき「リード発生から架電までにタイムラグがあるため、着電率が悪いのでは」という仮説が浮かんだことで、急にPardotに対するニーズが顕在化したわけです。BtoBの場合、丁寧にナーチャリングしてニーズを育成していくことも可能ですが、クライアント企業様の社内事情などからコントロールできないケースもあります。こうした「突如発生したニーズ」を確実に捉えるのに、Pardotは適していると思います。

 これまでは、ニーズが発芽していないところにも万遍なく電話でアタックしていました。電話のアプローチは、場合によってはお客様にマイナスの感情を抱かせてしまいます。そうなると、双方デメリットでしかないですよね。お互いメリットのある状態でお話しさせていただくために、ニーズ発生タイミングをしっかり把握することが大事だと考えています。

ニーズの発芽までをコントロールできる体制へ

MZ:今後、Pardotをどう活用し、マーケティング活動を発展させていきたいですか?

水野:Pardotでは、本来の強みであるナーチャリング機能を活用していきたいですね。ニーズの発芽までをある程度コントロールできる体制を作っていければいいなと思います。

吉本:マーケティング全体でいうと、お客様のLTVから逆算したプロモーション活動をしていきたいです。今、いろんな媒体を使ってプロモーションをしています。アドエビスは、Webプロモーションの効果を測定できるツールなので、どの媒体からどれだけ資料請求が来ているかなど、媒体ごとの効果を可視化できます。

 今後はそこから一歩踏み込んで、どの媒体から流入したお客様がどれだけ継続いただいているのかまで、一気通貫して計測したいと考えています。LTVをベースに予算配分することで、より効率的なプロモーションを実現したいですね。

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/30832