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事例&データで深掘り!Instagramマーケティングの現在地(AD)

【インスタマーケの誤解を解消】企画力で成功した意外な商材3つ&最新機能の活用ノウハウを紹介

体験を軸に仕掛けると、オフラインでの集客効果も

誤解その3:Instagramはブランディングには効くけれど、購買にはつながらない

――3つ目の誤解は、Instagramと購買の関係性です。投稿が見られてはいても、そこから本当にアクションにつながるのだろうか、という疑問をお持ちの方は多いようです。

田野崎:実は日本の利用者は、Instagramでかなり能動的に行動を起こしています。たとえば、利用者のうち82%が、製品やサービスに関する投稿を見たあと、検索やフォローなどなんらかのアクションを起こした経験があるというデータがあります。

 Instagramで発見した商品の詳細情報をその場で知りたい、という利用者ニーズに応えるべく、ショッピング機能も充実させています。よりスムーズな購買体験を実現するため、米国ではInstagram上で直接決済できる「チェックアウト」機能の提供も始まりました。将来的には米国外への展開も予定しています。

三島:当社のクライアントの場合、ショッピング機能を利用されるのは化粧品メーカーが多いのですが、保存数が多い投稿ほど、クライアントのサービスサイトに遷移する確率が高いことがわかっています。

 このことから、投稿を見た瞬間に購入するのではなく、一旦保存し、後から確認・検討して購入するケースが一定数あるのではないかと仮説を立てています。また、どのようなものが保存されやすいのかを深掘りしてみると、新作や限定品が多い傾向にありました。

松重:これまでInstagramのプロモーションと言うと、シンプルに商品の見た目をアピールするものが多かったのですが、最近うまくいっているのは、Instagramを通じてなんらかの体験を提供し、購買につなげてもらうパターンです。当社ではコクヨさんの「GLOO(グルー)」という接着用品シリーズのソーシャルプロモーションをお手伝いしました。

「GLOO」のプロモーションイメージ
「GLOO」のプロモーションイメージ

 ハンドメイドマーケット「minne」と共同で、「#貼るってたのしい」コンテストを開催しました。キャンペーンサイトから型紙をダウンロードしてもらい、オリジナルのペーパークラフトを作って投稿してもらう、というものです。Instagramで様々な作品を見せていくことで、キャンペーンサイトへの訪問が増え、サイトで紹介している商品の購買に貢献することができました。

 関連するワークショップも開催しているのですが、リピーターさんが多く集まって下さり、コミュニティが作られつつあります。ビジュアルを通じて体験をシェアできるというInstagramの強みを活用することで、ファンマーケティングにもつなげられるのだと感じています。

 さらにリアル店舗には、「minne」の世界観を店頭ディスプレイで表現しながら商品を売るという方法を提案したところ、販売スペースの確保につながりました。お客様に新鮮さを感じていただける文具の売り方として好評だったようです。コクヨさんにとっても初めての取り組みだったのですが、「メディアとタイアップすることの新しい価値を発見できた」と喜んでいただくことができました。

 このように体験を軸にキャンペーンを設計することで、オンラインだけでなくオフラインでの集客も期待できるんです。

高まる「ポストアド」のニーズ

誤解その4:オーガニック投稿はバズらないから意味がない

――SNSを活用したマーケティングでは、「オーガニックと広告どちらに力を入れるべきか」という議論になることがあります。Instagramは、他のSNSに比べてコンテンツを拡散する機能が少ないため、バズが起きにくい、そのためオーガニックの運用はあまり意味がないのでは? との声が聞かれることもあるのですが……。

田野崎:オーガニックと広告を完全に分けて運用している企業も多いのですが、正直とてももったいないことだと思っています。オーガニックと広告はもちろん、フィード、ストーリーズなど様々なコミュニケーション接点を一気通貫してお客様に何を提供するのかを考えるべきです。

 実際、メルセデス・ベンツやナイキといった、世界的にブランド力がある企業は、チャネルを限定せずInstagram内のあらゆる枠を使って発信しています。広告を使って潜在顧客にリーチしながら、オーガニックでもブランドの世界観を伝えられるようなコンテンツを届けることでファンのコミュニティを拡大させているのです。バズを狙うのはいいのですが、ビジュアルで世界観を伝え、ファンに深く刺さるストーリーを届けられるフォーマットが充実している点にも注目していただきたいです。

――逆に、広告は必ずしも必要ない、と考える企業もいると思います。オーガニックと広告、両方を運用するメリットはどこにあるのでしょうか。

松重:やはり、オーガニックだけではどうしても届かない層が存在します。Instagramのターゲティング精度は非常に高いので、広告を使えば届けたい方に効率的にリーチできます。スピード感をもってグロースさせたいなら、広告も併用するべきだと思いますね。

三島:オーガニックと広告という分類をされがちですが、最近はオーガニック投稿を広告クリエイティブに転用する「ポストアド」のニーズが高まっています。キャンペーンによる刈り取りではなく、純粋にブランド訴求をしたい企業が増えてきているようです。

 オーガニックで反応が良かった投稿をアドに回すと、フォロワーの増加につながりやすく、エンゲージメントも向上します。新しい利用者に良いクリエイティブを提供して、ファンを獲得する。ファンになってもらえれば、キャンペーンの終了後にフォローが解除されてしまう、ということは起こりません。

 この例に限らず、Instagramがプラットフォームとして成熟していくにつれて、目先のフォロワー数や単発のキャンペーン結果だけを見るのではなく、本質的な運用をされる企業が増えてきていると感じます。

――Instagramマーケティングの最前線を理解することができました。今日はありがとうございました。

インタビューで話題になっていたストーリーズのマーケティング活用ノウハウは、Instagramのブログで紹介されています。詳しく知りたい方はこちらから!

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この記事の著者

水落 絵理香(ミズオチ エリカ)

フリーライター。CMSの新規営業、マーケティング系メディアのライター・編集を経て独立。関心領域はWebマーケティング、サイバーセキュリティ、AI・VR・ARなどの最新テクノロジー。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/05/13 11:22 https://markezine.jp/article/detail/30870

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