東海旅客鉄道(以下、JR東海)は、シアンス・アールの音声コミュニケーションアプリ「Aldio Enterprise(アルディオエンタープライズ、以下、Aldio)」を採用した。
Aldioは、音声でのリアルタイムな情報共有ができる、スマホIP無線サービス。航空、鉄道、建設、流通店舗などの業務コミュニケーション基盤として活用されている。
JR東海では平成30年3月のダイヤ改正より、東海道新幹線乗務員の乗務体制見直しを行い、1列車に乗務する車掌が3名から2名体制に変更。それにともない、一人あたりの担当号車が拡大した。そのため、今までとは異なった車内巡回動線となり、離れていてもお互いに何をしているか把握できる環境づくりが必要不可欠となった。
そこで同社は2018年にAldioの導入を開始し、お客様からの連絡対応、車両故障対応など、乗務員間で事象を共有して、スムーズに対応できるようにしている。グループを変えれば他列車にもすぐに連絡できるため、遺失物や他列車の切符が発見されたなどで連絡が必要な場合に当該の列車への連絡が迅速に行えるようになった。
乗務員からは「他列車の切符が発見されたため当該の列車へグループ通話で直接連絡をしたところ、大変迅速に対応できた」「トイレの連絡用ブザー、車両故障対応、旅客案内が複数重なったが、すべての内容を同時に対応することができた」等、感想が上がっており、新幹線クルーの連携強化に効果が出ているという。
今後は、グループ間で映像や文字での情報共有が図れるようにして、指令と乗務員間での車両状態の確認などでより迅速な対応ができるようにしていく予定。
【関連記事】
・KDDI、西武鉄道らと「駅のロッカー」を活用した実証実験/野菜・日用品が終電まで受け取り可能に
・〇〇線利用ユーザーをターゲティング シナラ、鉄道沿線ユーザーを対象とした広告配信の規模を拡大
・ビズライト・テクノロジー、埼玉高速鉄道と連携/デジタルサイネージを活用した新規メディア構築
・JR西日本、駅現場からの情報共有を速めるためビジネスチャット「direct」を導入
・JR東日本、鉄道・バス・地域が連携したシームレスな情報提供を目指し実証試験