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SNS起点で生まれるマーケティングトレンド

フォロワー数水増し問題から考える、 インフルエンサーとの上手な付き合い方

インフルエンサービジネスの商習慣にも問題あり

 このような問題はフォロワー数(フォロワーリーチ数)に応じて発注金額が決まるという、インフルエンサービジネスの商習慣そのものにも問題があります。表面的な数字さえ伸ばしておけば金額の大きな仕事を依頼されるという心理が、インフルエンサーや業者による不正を助長している面も否めません。

 また、企業のPRを一度に複数のインフルエンサーへ依頼することも珍しくありません。その結果、SNS担当者は依頼した各インフルエンサーがどのような人物なのか把握することが難しく、代理店やキャスティング会社に人選を丸投げせざるを得ない場合があります。

 依頼を受けたインフルエンサーが普段は自社の商品ではなく、競合商品を愛用している人物かもしれないですし、お金をもらってPRする仕事では心のこもっていない投稿を行い、フォロワーが白けてしまうというリスクも考えられます。そういった方に自社の商品をPRしてもらっても、フォロワーの人たちから見れば「嘘をついている」ように見えてしまいます。

 前述のとおり、現代の生活者は「嘘」を嫌います。せっかくコストをかけているのにブランド毀損につながるのは本末転倒です。じっくりと時間をかけて検討し、期間を取り決めて契約するマス広告のタレント契約とは異なり、インフルエンサーマーケティングでは一度に何十人も依頼することが珍しくありません。一人一人のことを正確に把握するのは物理的にも難しいので、社内リテラシーの向上だけでなく、共通のジャッジメント基準を持っておくことも大切でしょう。

インフルエンサーの先にいる人の理解も必要に

 インフルエンサー全体のフォロワー数やエンゲージメント率だけ見ていても、「フォロワー数水増し」や「いいね!やRTの購入」を完全に見抜くことはできません。水増ししたフォロワーとbotによる偽フォロワー、またその他の有効なフォロワーの構造は、以下のようになります。

1:本人が意図していない水増しフォロワーは、インフルエンサーへのエンゲージメントがほぼ無い状態

2:botによる偽アカウントは、フォロワーがほとんど存在しない状態

3:1、2に該当しない有効フォロワー

 また、最近では代理店やキャスティング会社でも管理ツールの活用を進める傾向があり、特にフォロワーを趣味趣向(=トライブ)によって分解・可視化する動きが起きています。インフルエンサー自身のトライブと近い傾向にある、実質的な有効フォロワーを見てみてもいいかもしれません。狙いたいターゲットへの影響力が強いインフルエンサーは誰なのかといった発見にもつながりそうです。

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理想は、骨太なアドボカシー(=支持者/代弁者)の育成

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この記事の著者

森竹 アル(モリタケ アル)

 スパイスボックス 取締役副社長 事業統括責任者。2006年にスパイスボックス入社。プロデューサーとして大手自動車メーカー、食品メーカー、ゲーム会社等のデジタルマーケティングを支援。2013年、プロデュース局局長就任。すべてのクライアントワークを統括。2016年以降は、ソーシャルメディアを中心に「共感」と「話題」を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/31334

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