Z世代で均衡している(2人に1人が共感する)消費行動は?
続いて共感度で50%前後、Z世代の2人に1人と均衡している消費行動やSNS行動をピックアップしてみよう。
SNSでは複数のアカウントを使い分ける(53%が共感)
SNSで複数アカウントを使い分ける若者が増えているのは、3,000名を対象とした「Z世代レポート」でも明らかになったことだ。興味深いのは、この「SNSにおける複数アカウントの使い分け」に関して、Y世代とZ世代で大きな格差のあることだ。大人になってSNSを使い始めたY世代と比較して、ソーシャルネイティブであるZ世代は、中学、高校、大学、趣味友だちと、過去の友人とずっとつながり続ける世界に生きている。複数のコミュニティに参加するために複数アカウントを使いこなすことは、Z世代にとって心地よく生きるための知恵なのだ。これからはデジタルマーケティングの領域でも「一人のユーザーが複数のアカウントを使うこと」を前提として施策を設計するケースが増えてくるだろう。
ググるより、SNSで検索するほうが多い(52%が共感)
Y世代にとってはGoogle、Z世代にとってはSNSがネットの主役である。海のような情報群から必要なものを探し出す能力に秀でたY世代と比較して、Z世代の情報探索は受動的だ。手間をかけて探すまでもなく、SNS経由で必要な情報が届くからだ。それにGoogleは過去の情報であり、今この瞬間の情報はSNSにしかない。それゆえZ世代の約半数はあまりググらない。そのかわりSNSで興味深いものを見つけると、アカウントやハッシュタグで検索する。約半数のZ世代は、ググるよりもSNSを経由してお目当てのお店や商品に到達しているのだ。インスタユーザーの4人に1人が使うハッシュタグをどう選択するかなど、マーケターはSNS内のトレンドに目をむけることが大切だろう。
日々の生活は消える投稿、おしゃれな写真は残る投稿(48%が共感)
これも明らかにインスタ上の行動である。一日で消えてしまうストーリーズが気軽な共有ツールとなり、あえてフィードに投稿するのは「記録として残したい写真」だけ。これが約半数のZ世代の行動だ。この背景には“ネット上でずっと記録に残ってしまうのはいやだ(72%)”という意識がある。ただし友人との間では“SNS投稿は見ていることを前提にリアルの会話が進む(62%)”ので、友人のストーリーズを確認するために、インスタへのアクセス頻度はおのずと高まるのだ。個人の日常はもちろんのこと、お気に入り商品の推奨からインターンの体験まで、友人の噂話は広がってゆく。高度成長期、お茶の間の「テレビ」が翌日の話のタネになった時代があったが、今や「インスタ」がZ世代に会話のネタを提供しているのだ。企業が立ち入りにくい個人のストーリーズの世界が、実は非常に大きな伝播力を秘めていることがわかる。ストーリーズのタグづけなどは強力な動線となりそうだ。
