実際の購入者にも調査
MZ:実際にヴァリューズが行ったこととは?
齋藤:ターゲットの明確化と決定プロセスの可視化をお手伝いさせていただきました。その方法として、アンケート調査とログ分析を行っています。アンケートに関しては、ここ1年以内に実際に後席モニターを購入し、その選定に関与した方700人の回答を得ました。どんな車種に乗られているのか、検討期間、後席モニターの購入は新車購入と同時か後追いか、どういうチャネル(ディーラー、カー用品店、ECなど)で購入されたか、購入のきっかけ、購入前にどのような情報収集をしたのかなど様々な質問をしています。それらをコレスポンデンス分析したり、フリーアンサーを形態素解析した上でワードクラウドにしたりといった分析を行いました。
MZ:ログ分析のほうでは?
齋藤:ログに関しては、定量と定性で調査しています。定量に関しては、どんなサイトを見ているのか、どんなワードで検索したのかといった情報から、購入にいたるプロセスを分析しています。定性については、実際に後席モニターを購入された方々一人ひとりの個票分析をやっています。データ収集に同意いただいたモニタパネルの行動ログを活用し、本人を特定しない形で属性とともにその方々の検討行動を明らかにして、検討のきっかけや、購入のチャネルなどを明らかにしました。
裏付けのあるマーケティング施策へ
MZ:調査結果についてどういった反響があったのでしょうか。
齋藤:調査結果をご報告した会議の場で、「非常に解像度の高いデータを感謝します」と言っていただけました。今回の結果から後席モニターを検討・購入される顧客像や購買に至るまでの行動が浮かび上がったことを評価していただきました。担当者の方の、「砂漠に水を撒くような施策はやりたくない。しっかりとターゲットを見定めた上で、その方々に対してメッセージを打つための材料を欲していたので、すごくありがたい」というコメントが印象的でした。
MZ:得られた結果を、実際の施策にどのように活用されていくのでしょうか。
齋藤:調査結果から、どういうタイミングで、どんな媒体に、どんな訴求をするとよいのかという、プロモーションのご提案もさせていただきました。また、出稿媒体をどこにするとよいのかというのも、我々のログから明らかにしています。
たとえば、後席モニターを購入される方の多くがカーナビやドラレコといった他のカー用品について調べていく中で後席モニターにも興味を持ち、購入されることが多いことがわかりました。そのため、ドラレコやカーナビの購入を検討している人、またはそれらのカテゴリー閲覧者への訴求が適切だというご提案をさせていただきました。
これまで慣習的にイレギュラーだと思われていたことも、データ分析の結果からは挑戦してみる価値があることもわかりました。準顕在層や潜在層へのアプローチに有効な手段に結びつけようとしているところです。わかりやすいところだと、調査結果から浮かび上がった訴求軸を基にしたバナー広告をナビタイムジャパンさんと一緒に作りました。