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「データデータって飽きた」データサイエンティスト・松本健太郎さんがMarkeZineに愚痴った訳


 ある1件のツイートをきっかけに、MarkeZine編集部がデコムのデータサイエンティストの松本健太郎さんに取材をしました。データの専門家から語られた「データで見えないもの」の重要性とは。

データデータって飽きたツイートの真意

 ある日TwitterでMarkeZineのエゴサーチをしていたところ、以下ツイートを見かけてしまったMarkeZine編集部。

 「データサイエンティストなのに、データに飽きた?」この内容の真意を知りたいと思った編集部は、データサイエンティストの松本健太郎さんに恐る恐る取材を申し入れました。

株式会社デコム R&D部門 マネジャー 松本健太郎氏

MarkeZine編集部(以下、MZ):ツイートの中で「ここ最近、データデータデータデータデータデータデータデータデータデータデータって本当飽きた」と書かれていますが、この真意を教えてください。

松本:僕は、2007年にマーケティング効果測定プラットフォーム「アドエビス」を提供するイルグルム(旧・ロックオン)に入社しました。その当時はアドテクという言葉も存在せず、アクセス解析と広告の効果測定が同じものとして語られるような状況でした。

 その中で、MarkeZineは早い段階からデジタルマーケティングに関する啓もう活動を行っているメディアという印象がありました。

MZ:MarkeZineは2006年にオープンしているので、その当時は確かにデジタルマーケティングに関する情報を発信する数少ない媒体だったかもしれません。

松本:しかし、昨今は「デジタルマーケティングだけやっていていいのか」という疑問を持つデジタルマーケターも増えています。僕自身ももっとマーケティング全体とデジタルマーケティングの関わり方について知りたいですし、そういった情報をMarkeZineに率先して発信してほしいなと思ったんです。

 ただ、MarkeZineを読んでいるとデータに関する記事が多いんです。確かに、デジタルマーケティングはデータがあったからこそ現在の規模まで成長できたと思います。しかし、データだけでは超えられない何かがあることもわかり始めています。その中でデータデータっていうのはどうなのか、と思いツイートしました。

マーケティングは意味を見つけて、意味を実装すること

MZ:なるほど……ちなみに松本さんはマーケティングとデジタルマーケティングがどのように関わっていくのが良いと思いますか。

松本:僕自身のキャリアに沿って話をすると、20代のころは「デジタルマーケティングはすごい、間違いなく伸びる」と思っていました。そして、30代からはデータサイエンティストとして、「データ×マーケティングには可能性がある」と信じて突き進んできました。

 しかし、データですべてを表現することはできないと限界を感じたんです。今見ているデータが正しいものである保証もなく、計測できていないデータも存在する。その状況で分析をするのはハードルが高いんです。

MZ:松本さんの話を聞いて、データに対して過剰な期待を持つのは危険だと思いました。その後はどのような変化があったのでしょうか。

松本:「マーケティングとは何か」を考え直してみました。人によって意見は異なりますが、私は「意味を見つけて、意味を実装することがマーケティング」だと思っています。

 それをデジタルマーケティングだけで実現するのは難しいと思い、現在所属するデコムに入社したのもあります。

 これまではプロモーション発想のマーケティングになりがちでしたが、4Pを踏まえたより上位概念のマーケティングに取り組むべきだと考えています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/08 10:54 https://markezine.jp/article/detail/32663

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