ダイレクトマーケティングに大事なこととは?
続いて、ダイレクトマーケティングの支援を行うワンスターの中嶋麗氏が登壇した。
同氏は、現在同社がダイレクトマーケティングをどう捉えているか、その中でPDCAをどう回しているかについて解説した。

まず、ダイレクトマーケティングにおける市場背景として中嶋氏は「バナーブラインドネス」を挙げた。いわゆる広告離れが進み、特にダイレクトマーケティングの広告色の強さに目を背ける生活者も増えている。
これに対し中嶋氏は「ユーザーが求めるコンテンツをきちんと作ることが重要」とした。そのためにワンスターでは、広告からLP上でのコンテンツまでターゲットを理解して設計しているという。
具体的には、マーケティングシートを用意し競合調査やターゲット理解を誰でも一定レベルまでできるようボトムアップ。ターゲットも顕在層から潜在層まで9象限に分け、各層での勝ちパターンを考えていく。これを業界ごとに行っているため、ダイレクトマーケティングのノウハウを体系化できているという。
そして、サーベイのサービスなども用意することで、検証から改善もスピーディーかつ精度を高くできるよう努めているという。
最後に中嶋氏は、「ユーザーを裏切らないコンテンツを作ることが大切だと思っています。それを継続的に生み出せるかが、今後さらに重要になってくるのではないでしょうか」とダイレクトマーケティングにおけるコンテンツの重要性を述べた。
勘と経験に頼らないコンテンツ作りに必要な1つのこと
ライトニングトークの最後を締めくくったのは、NEW STANDARDの春原由之介氏。同社のメディア「TABI LABO」の運営を通じて得られた広告コンテンツ作りの秘訣が語られた。

同氏は「覚えて帰ってほしいポイントは1つだけ」だという。それは、データをもとに効果検証できるよう、事前に精度の高い仮説を立てKPIを設計すること。
TABI LABOには動画とテキストのコンテンツがあり、目的に応じて再生完了率や読了率などKPIを設計している。読了率も、記事の中でどの位置までユーザーが読んでいるのか、その割合など、細かに計測しているという。
その他にもTABI LABOでは、20,000本以上の編集記事のデータを広告コンテンツに活用している。たとえば、富裕層をターゲットにしたときはその人たちがTABI LABOで見ているコンテンツを確認。関心の高い記事カテゴリを見つけ、そこからインサイトを導き出しているという。
データで効果検証できる精度の高い仮説とKPI設計を意識することが、勘と経験に頼らないコンテンツ作りには欠かせないと、春原氏はライトニングトークを通して明らかにした。