マーケティングプランを考える中で、様々な組み合わせの中から意思決定することが求められる。本稿では、商品パッケージのデザインを例に、AIとWeb調査によって最適な組み合わせを見つける方法を解説する。
※本記事は、2020年2月25日刊行の定期誌『MarkeZine』50号に掲載したものです。
生活者の好む「組み合わせ」を決めるという課題
生活者の好みを理解し、商品企画や商品パッケージ、プロモーションを作り上げる。こうしたマーケティングの基本的なプロセスの中で直面する課題の1つに、取り得る膨大な組み合わせの中から最適なものを選び出すことの難しさがある。
たとえば商品パッケージのデザインを検討する場合、ターゲットとなる生活者像や商品訴求の方向性が事前に決まっていたとしても、具体的にどの情報や画像をどんなデザインテイストでどこに配置していくかなど、多くの要素の組み合わせを決める必要が出てくる。一つひとつの要素数(たとえば商品ロゴのデザイン種類数)が数パターンであっても、複数の要素の組み合わせではパターン数は膨大になり、また配置関係や強調する順序など新たに選択すべきことも増える。
生活者が好む組み合わせを決めるための判断材料としては、市場調査が用いられてきた。ここで主に用いられてきた手法は、絞り込んだ数案についての定量・定性調査や、コンジョイント分析※を用いた個別要素の効用値の分析などである。しかしながら、膨大な組み合わせの中から、商品として生活者に届ける1つの案に絞り込むプロセスにおいては、すべての組み合わせについて調査を実施することはできない。
そのため、担当者の経験に裏付けされた肌感覚やデザイナーのセンスによって組み合わせを絞り込まざるを得ず、本当に生活者が好む「組み合わせ」にたどり着いたかは未知数のままであることが多い。本記事ではこの「組み合わせ」の課題について、これまで研究してきたAI・最適化技術を用いて商品パッケージのデザインを探索する手法を紹介する。そしてその結果、生活者のどのような好みが見えてくるのかを事例を交えながら探っていく。
※ コンジョイント分析は実務上、組み合わせによる効果(交互作用)がない前提で実施される場合が多く、また交互作用を考慮して行う場合も2要素間の交互作用に限られるなど限定的である
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小木戸 渉(コキド ワタル)
株式会社インテージ カスタムリサーチ事業企画室 マネージャー
2008年株式会社インテージ入社。消費財やヘルスケア領域でのマーケティングリサーチに従事した後、株式会社ドコモ・インサイトマーケティングに出向し、位置情報ビッグデータとアンケートの組合せなどの新規サービスを実現。現在、インテージにてAI、最適化、集合知などの新し...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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