海外動向と日本版DSの未来を予測
先ほどは日本のEC市場からドロップシッピングを眺めてみましたが、ここでは海外動向にちょっと目を向けてみたいと思います。
海外では、下記上図のような日本版DSの他にもサプライヤとセラー(ドロップシッパー)が直接提携を行い、協業していくというモデル(下記下図)が確立されており、サプライヤーのサーチサービスが活躍をしています。

例えば、World Wide Brands.comというサーチサービス(下記キャプチャ画像参照)では月額69.95$を支払えば、売りたい商品を扱っているサプライヤーを紹介してもらうことができ、ニッチな商品等も取り扱うことができるようになっています。

つまり、海外ではサプライヤのデータベース化が実現されており、そのデータベースを活用してドロップシッピングに参加するという手段が存在しているのです。さらに言えば、海外では日本版ドロップシッピングのようなDSP(ドロップシッピングサービスプロバイダ)が間に入りシステムの橋渡しをしてくれる形態(アメリカを例にとると、CafePressなどがDSP形式)よりも、このサプライヤ&セラーの直接提携という方法が主流だったりします。
さて、日本では海外モノが流入してくるまでにIT業界では数ヶ月程度(モノにもよります)と言われていますが、この「データベース化」という流れを日本に当てはめて考えてみると、商品データのデータベース化が行われ、商品情報の比較検討などが容易になるのではないかと想定されます。
というのも、日本の電子商取引化率は前述の通りとにかく低い! となると、現状のDSPを中心にしたドロップシッピングのモデルは簡単には崩れることはないと考えています。
つまり、海外ではDB化の対象がサプライヤーだったものが、日本ではDSP…ひいては、当該DSPの取り扱う商品がDB化の対象となり、ひとまとめにしてユーザーに提供されるようになるのではないかと考えています。
簡単に言ってしまえば「価格コム」に比較掲載されている商品群が、それぞれのDSPのもつ商品に置き換わるといった感じです。
しかしながら、これには1つ問題があります。DB化が実現するには、DSPごとに商品データのAPI化が行われ、ユーザーによる取得が可能にならなければならないという必要があります(もしくは、API化されなくとも、業界が一致団結して商品データの統合を図り、DB化する必要があります)。
考えるほど、無理かも…といった感じなのですが、インターネットモールの王者「楽天」が商品データをAPI化したように、APIによるデータ開放は世の潮流です。この楽天のアクションが、流れに棹さす事になってくれればと考えています。
さて、ここまでで2つの副題を掲げてドロップシッピングの未来を語ってみましたが、正直どうなるのか? なんて事は、予言者ではない私にはサッパリわかりません。ただ単に、「傾向と対策」としての未来像を予想してみたに過ぎません。しかしながら、確実に言えることは「ユーザー(利用者)の声がドロップシッピングの未来を作る」ということです。
最後になってしまいましたが、回数的には19回、期間的には約1年半超と長きに渡って連載をさせていただきましたが、最後までお読みいただいて本当にありがとうございました。違った切り口の連載をこちらでも書いておりますので、今後もおつきあいいただければと思います
