デジアナマーケティング最初の一歩はDM活用から
中村氏がおすすめのアナログ施策として挙げたもう1つが、ダイレクトメール(DM)の活用。中でも取り組みやすいのは、メールとDMを組み合わせたデジアナマーケティングだ。
メールは手法としては手軽だが、パーミッションを得ている人に送っても、アクティブ層は6%と言われていて、メッセージを見ているのはほんのわずかな人しかいないのが現実だ。しかしその状況で、メールとDMを組み合わせる試みを行ったところ、アクセス率はメールだけを送ったときの2.3倍、注文率は4.6倍に上がる効果を発揮していた。
しかも年代別に、DM郵送後に何かしらの行動をとった人の割合を出してみたところ、若年層のほうがDMを受け取る経験が少ないためか、良い反応が得られたこともわかった。
中村氏がDMを勧める理由として他にも、マーケターのクリエイティブ力を鍛えられることもあるのだという。
「メールで鍛えられるのは、キャッチコピーやタイトルを書く力だが、DMを作るにはクリエイティブに総合的な工夫が必要。BtoBマーケターとしての成長、取り組みの幅を広げることにもなるのではないでしょうか」(中村氏)
アウトバウンドとの掛け合わせも有効
他の組み合わせとして、シャノンで実際に行われたアウトバウンドとDMを組み合わせた例も紹介された。ターゲットやフォロー設計を決めたうえでDMを事前に送ると、アポ率は12%となり、電話だけのときと比べてかなり効率が良くなった。また、DM送付後の電話に出た人はポジティブな感情を抱いてくれる人が多いこともわかったのだ。
「SHANON MARKETING PLATFORM」では、こうしたデジアナマーケティングに対応しており、デジタルとアナログにまたがるマーケティングの設計と実行を可能にする機能が搭載されている。また、日本製MAツールとしての品質、コスパの良さから高い評価を得ていることにも触れられた。
最後に中村氏は、経営者と“数字でない話”もしてほしいと語り、講演を締めくくった。
「経営者と話すときには数字で話すことが大事と言いましたが、中長期的に考えたときのマーケティングや自社ブランドの構築の仕方といった話にも、もちろん興味があります。そういう観点から積極的に会話をすることで、マーケターと経営者の目線が合わさり、より良い活動につながっていくと考えています」(中村氏)