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有園が訊く!

AI活用が当たり前になる社会 今後のビジネスに不可欠な“文系AI人材”になるには


投資判断と、理系人材との橋渡しができればいい

有園:そうなんですね。世間的には“AIが広がると仕事が失われる”と危惧されたり、マーケティング領域でもそんなある種の恐怖を持つ人もいると思うんですが、文系でも野口さんはそうは感じていなかったわけですよね。もともと大学でゲーム理論に触れていたことって、何か今につながっていたりしますか?

野口:その点だと、データを使った高精度な予測で世の中はよくなる、という根本的なスタンスは大学のころにできたものだと思います。そう信じている、というか。だから、AIでデータを扱っていくことに対しても、抵抗感なく入れたのは大きいかもしれないです。

有園:統計学もやっていたんですか?

野口:いえ、むしろ統計は嫌いでした(笑)。機械にシミュレーションをさせるプログラムをつくるのは、数学というより工学的で、ひとつの機械をつくるようなイメージですね。

有園:なるほど。数学が苦手で、データやAIがとっつきにくくなっている人も多いと思うので、野口さんが統計が嫌いだというのはひとつハードルが下がるかも。

野口:そうかもしれないですね。おっしゃるとおり、文系AI人材には自分でゼロからAIプログラムをつくれる知識が必要なわけではなくて、ビジネスの課題に対してAIの方針の立案や投資判断ができることがまず大事です。同時に、構築と運用に関する理系側との橋渡しができれば十分だと思います。

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文系AI人材がたどるべき4つのステップ

有園:では、書籍の内容と重なりますが、実際に野口さんのような文系AI人材にどうしたらなれるのか、少しうかがっていきたいです。先ほど、ご自身が学ばれた過程ではかなり試行錯誤があったとおっしゃいましたが、何がポイントだったんでしょうか?

野口:順番ですね。学ぶ順番。私のときは、前述のようにビジネスへの活用を前提とした文系向けの書籍がとても少なかったので、振り返るとけっこう回り道をしました。ひととおり学んだ上で、このステップでこの深さで押さえていけば十分、という観点で体系化しました。

 具体的には次の4つのステップがあって、この流れを押さえていくとスムーズに気持ちよく習得できると思います。

1.AIのキホンは丸暗記で済ます
2.AIの作り方をザックリ理解する
3.AI企画力を磨く
4.AI事例をトコトン知る

野口:4つのステップの中でも、まず初めに押さえるべきは一つ目の「AIのキホン」です。書籍でもまずはキホンの解説をしています。必要最低限の用語は、丸暗記するのが速いです。あまり、考えない(笑)。入口で考えすぎると深みにはまって、挫折します。

有園:野口さんの経験から(笑)。

野口:そう、私も何度も挫折しかけたので……。最初から、どんな言語があるのかとか、それを理解しようとか考えないほうがいいですね。

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4つの目的と2つの型でAIを分類する

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/20 08:57 https://markezine.jp/article/detail/33127

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