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有園が訊く!

AI活用が当たり前になる社会 今後のビジネスに不可欠な“文系AI人材”になるには


4つの目的と2つの型でAIを分類する

野口:ステップ1では、用語の意味やそれぞれの違いをおおまかにつかむと同時に、AIのタイプも知っておくほうがいいです。私が分類しているのは、4つの目的と、人間ができることを“代行”するのか、それとも人間ができないレベルまで“拡張”するのかの2タイプで、4×2=8種類がミニマムかなと捉えています。これが頭に入っているかいないかで、その後の理解のスピードと効率が違ってくると思います。

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有園:この図、私も書籍で見てすごく腑に落ちました。それぞれ解説してもらえますか?

野口:まず横列ですが、何をするAIなのか、で大きく4つに分けられます。左から順に「識別系」というのは大量の画像や動画から何かを軸に識別していく目的。「予測系」は、いわゆる行動や需要の未来予測などですね。3つ目の「会話系」は、チャットボットが代表例ですが、いろいろな種類の対話を担います。4つ目の「実行系」は、まさに手を動かす系です。

 で、縦列に入れた「人間代行型」は、それぞれの目的でこれまで人間がやっていたことを代行してくれるという意味合い。「人間拡張型」は、人のレベルを超えてやってくれる。ということです。データ×人間の場合より、データ×AIのほうがすごくスピードが速かったり、制度が高かったりといった活用の仕方ですね。

自社のビジネスではどのタイプのAIが必要かを理解する

有園:これを頭に入れつつ、2つ目のステップへ進む、と。

野口:そうですね。次が、作り方をザックリ理解することです。前述の“〇〇系”の4種は、実際に作り方も必要なデータもまったく違うので、やはり先に分類がわかっていたほうがいいと思いますね。その上で、じゃあ自分が関わるビジネスではどのタイプのAIが必要そうか、というアタリをつけておくと、ひとまずのゴールである「ビジネス活用のためのAIの方針を立てて企画・導入・運用する」ことに最短でたどり着けると思います。

有園:4種の作り方がまったく違うというのは、たとえばどのように?

野口:識別系だと、画像や動画に対して「アノテーションする」というのですが、要するにタグ付けする工程がまずあって、それをAIに放り込むという流れです。予測系は、エクセルっぽいですね。仮にユーザー単位のコンバージョンを予測する場合、各ユーザーをエクセルの表の左端に並べて、コンバージョンした人の属性や行動データをひもづけてAIに学習させると結果が右端に出てくる、みたいなイメージです。

有園:需要予測だと、左列が日付で、間に天気や祝日かなどの変数が入って、右に売上の可能性が出てくるような? 現在までの実データを入れて、じゃあ2025年の1月はどうかとか。

野口:そうです、そうです。予測系は、マーケティングでよく使うのは時系列の予測かユーザー単位の予測かの2種だと思います。

 このステップでは座学も必要ですが、理想はAIを作れる人の横に張り付いて、作業を見せてもらうのがいちばんいいですね。操作をともなう学習が効果的です。それが難しければ外部講座や、身近にAI構築ができる人がいたらその作業を見せてもらうのでもいいと思います。

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自前かありものか、その判断が投資効率を左右する

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/04/20 08:57 https://markezine.jp/article/detail/33127

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