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第107号(2024年11月号)
特集「進むAI活用、その影響とは?」

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令和時代のマーケティング

マーケターはコロナウイルスの脅威にどう向き合うべきか

 新型コロナウイルスの発生と感染に関するニュースで2020年は幕を開けました。世界規模で一般消費者への感染が拡大したことで、企業や組織は従業員にリモートワークやオンライン会議を推奨し、教育機関では臨時休校を決めるなど、これまでの暮らし方を見直す必要が出てきました。また、大規模イベントの自粛要請や教育現場でのカリキュラム変更など、社会で様々な混乱が起きていることも事実です。こうした非常事態に、企業のマーケティング担当者がとるべきアプローチを事例とともに解説していきます。

※本記事は、2020年5月25日刊行の定期誌『MarkeZine』53号に掲載したものです。

 AI(人工知能)テクノロジー企業のAppier(エイピア)は、アジア太平洋地域を中心に世界の様々な企業に向けてAI搭載のデジタルマーケティングソリューション、データ分析プラットフォームを提供しています。私はAppierのチーフAIサイエンティストとして、顧客企業のビジネス目標を達成するためのデータ活用を提案するとともに、カスタマイズしたソリューションの開発を統括しています。本記事では、AIおよびデジタルマーケティングの専門家として、世界各地で新型コロナウイルス(COVID-19、以下コロナウイルス)の危機が高まる今、企業のマーケティング担当者がとるべき対策をご説明します。

 現在、多くの企業がコロナウイルスへの対策に追われています。人々はウイルス感染を避けるために外出を控えるようになり、飲食店や小売店での消費者の姿はまばらです。Nikeや資生堂などの大手ブランドは、製造部門の休業をせざるを得ず、物流の滞りや商品の在庫切れも見られます。

 企業の各部門で、このような状況の中であってもビジネスを継続するための戦略や業務の変更に頭を抱えているかもしれません。ではマーケティング担当者はどのような対策をとるべきでしょうか?自分や家族のウイルス感染、生活に欠かせない商品の不足、ビジネスの継続やこれから何が起こるのか。不安を抱え、敏感になっている消費者の気持ちを汲み取ったマーケティングを行うための7つのヒントをご紹介します。

Adobe Stock/Stockgiu
Adobe Stock/Stockgiu

1.危機的な状況でこそ“消費者目線”のマーケティングを

 今回のような危機の中でこそ、消費者目線に立つことが重要です。商品やサービスを売ることを優先するよりも顧客をできる限りサポートするという企業の姿勢を表明することが、今後の顧客との関わりに影響するでしょう。

 中国では、Alibabaを含むEコマース、メディア、IT企業が今回の危機に関するサポートを表明しています。たとえばラグジュアリーグループのLVMHは、230万ドルを中国赤十字に寄付しており、美容グループL’Orealも72万ドルを寄付すると発表しています。

 企業のサポートは、必ずしも大規模である必要はなく、支援が必要とされるところにサービスや製品、寄付金を提供するなど、幅広い社会貢献をすることで企業のPRや認知度向上にもつながります。

2.オンラインデータの分析で“消費者の関心トピック・キーワード”を把握

 コロナウイルスの流行は、多くの消費者行動に影響を与えています。消費者はコロナウイルスについてオンラインで感染状況や検査方法を調べ、自分自身を守るための製品を購入しようとしています。あまりにも多様な情報がオンラインにあふれており、大勢の消費者が特定の商品を購入し、商品の在庫が不足する事態となりました。自社製品やサービスへの需要増大に適切な対応をとれるかどうかが、今後の消費者との関係に影響するでしょう。

 オンラインデータを分析すると、どのような人たちがコロナウイルスに関するコンテンツを読んでいるか、それらの人はコロナ以外にどのような内容のコンテンツを読んでいるかを特定できます。このデータを利用し、関心のあるトピックまたはキーワードに基づいて消費者をセグメント化することで、より正確なターゲティングのもと、企業のメッセージを配信することが可能になります。

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この記事の著者

ミン・スン(ミン スン)

Appier チーフAIサイエンティスト
2005年からGoogle Brainの共同設立者の一人であるアンドリュー・エン氏、元Google Cloudのチーフサイエンティストであるフェイフェイ・リー氏などのプロジェクトに携わり、AAAI(アメリカ人工知能学会)をはじめ世界トップの人工知能学会で研究論文を発表。201...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/03/04 17:58 https://markezine.jp/article/detail/33441

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