Talk Head Viewの実施後、LINE広告の全体CPAが約4割低下
─―社内外問わず注目を集めるのは広い顧客基盤を持つLINEならではですね。Talk Head Viewと並行してLINE広告をどのように活用されたか、運用ポイントを教えてください。
斎藤:2020年明けから始まっていた新規のお客様向けのキャンペーンが終了する1月末に、配信対象を女性にセグメントした上でTalk Head Viewを実施し、並行してLINE広告を配信しました。
Talk Head ViewのKPIは、マス向け広告のリーチ補完と、メインターゲット層へのキャンペーン認知やブランド好意度のリフトアップです。また、Talk Head Viewでリーチを最大化しながら、LINE広告でキャンペーンサイトを訪れたユーザーへのリターゲティング配信を強化するなどして、CPAやCVRの改善も狙いました。
─―Talk Head Viewを実施し、どのような成果が見られましたか。
斎藤:Talk Head Viewの実施後、LINE広告のCPAが約4割低下しました。LINEさんと配信分析を行った結果、Talk Head Viewの非接触ユーザーよりも、接触したユーザーのほうがLINE広告のCTRも高いことがわかりました。さらに、Talk Head Viewの静止画をタップして動画を視聴したユーザーはLINE広告経由で来店予約いただくケースが多く、CVRも高い結果となりました。
ユーザーのファネルを意識したクリエイティブを訴求
──2つの施策で相乗効果を生み出されたわけですね。クリエイティブで工夫された点はありますか。
神野:大場さんからクリエイティブの参考資料を提供いただき「はじめの静止画の部分が大事」とアドバイスがありましたので、ユーザーがパッと見て理解しやすいクリエイティブを作成しました。動画は、社内で保有していた素材をベースに、Talk Head View用に再編集しています。また、再生時に場面が早く切り替わると見づらいので、情報量を多くしすぎずシンプルな内容を心がけました。
神野:Talk Head Viewはキャンペーンの終盤に配信したので、来店予約の〆切りをわかりやすく伝えたクリエイティブとなっています。広告を見たユーザーに「急がないと、キャンペーンが終わってしまう」と感じていただけたのではないかと思います。
斎藤:LINE広告のクリエイティブも、Talk Head Viewと同じ素材を用いて統一感を持たせました。2020年の年明け以降、LINE以外の媒体でもキャンペーン訴求を行っていたため、ユーザー認知を得ている状態を想定し、Talk Head Viewは「最後の一押し」として位置づけました。結果を踏まえると、Talk Head Viewは実施時期やクリエイティブの内容がうまくかみ合い、そこからLINE広告経由でコンバージョンへつなげられたと考えています。
認知だけでなく興味度と利用意向をリフトアップ
──Talk Head Viewの配信後、ブランドリフト調査を実施されたとうかがいました。結果について教えてください。
斎藤:Talk Head Viewに接触したユーザーは、すべての項目でリフトアップが見られました。特に、興味度と利用意向の上がり幅は大きかったです。新規のお客様向けのキャンペーンでしたから、実際にサービスを利用したいと考えるユーザーが多かったのではないかと推測します。年代別で見ると、若年層の上がり幅も大きく、想定していた以上のブランドリフト効果が見られました。
神野:ブランドリフト調査は定期的に行っていますが、キャンペーン内容やクリエイティブ、お客様が広告に接触した環境によって数値は変わります。しかし、施策を打つ限りリフトアップが見られなければ意味がありません。その意味で、Talk Head ViewとLINE広告を用いた今回の施策は、リフトアップはもちろん、コンバージョンにもつながった点を高く評価しています。