増えるアクセスもと地域特定サービス
アクセス解析サービスの機能として、アクセス元の地域を集計してくれる機能は、最近ではめずらしくありません。たとえば、Google Analyticsでも、その機能は用意されていて、たとえば、東京からこれだけのアクセスがあった、大阪からはこれだけ、アメリカ西海岸からはこれだけ、といったことがすぐにわかるようになっています。
それ以外にも、たとえば「なかのひと.jp」のように、アクセス元の地域情報だけに絞ったアクセス解析に絞った解析サービスもあります(実際には「中の人」はアクセス元の組織の地域情報を出すサービスですが、それについては後述します)。
アクセスを解析する中で、それぞれのアクセスがどこの国、どういった地域からのアクセスなのか、ということは、そもそもサイトを公開している側としては興味のある情報です。また、マーケティング的にも、たとえば実店舗を構えている場合は、その店舗のある地域からのアクセスがあるかどうかは重要です。オンラインショップの場合でも、もし国内発送しかしていないのに、国外からのアクセスが増えてきているとしたら何か対策を考えなければならないでしょう。
インターネットに地域や国境はない、とはいっても、結局は人は地域にある程度は縛られて生活をしているわけですし、アクセスしてくれるユーザーの環境を把握する上で、地域情報を取得することは、重要な解析手法の1つだといえるわけです。そのため、各種のアクセス解析サービスでも、地域情報を取得できる機能をつけるようになっているのです。
それでは、結果に表示される解析情報はどうやって取得しているのでしょうか。
第2回(前編・後編)でも触れましたが、地域情報の解析には、IPアドレスが利用されています。IPアドレス自体、「アドレス」という名前からもわかるように、インターネット上での「住所」として利用されるものです。インターネット上でやりとりされるデータは、このIPアドレスを使って送信先、送信元を特定することができます。
しかし、このアドレスはあくまでインターネットの中でのアドレスであり、その数値と、実際のコンピュータの存在している物理的な場所には、直接的な関係はありません。が、さまざまな方法を使って、IPアドレスを地理的な情報に変換することができます。
そこで今回は、その方法を見ていくことにしましょう。今回紹介する方法は以下の4つです。
(1)TLDを利用する
(2)ドメイン取得情報を利用する
(3)IPアドレスから国を割り出す
(4)IPアドレスから地域を割り出す
それぞれ、特長や弱点があり、集計結果の性格が異なってきます。