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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

ブランドは時間をかけて生まれる

アイデアはクライアントの背丈を超えることはできない

――では、ご自身が関わってきた取り組みの中で、上手くいったプロジェクトについてご紹介いただけますか。

 本田技研工業(以下、ホンダ)の創立70周年を記念したブランドムービーの「Honda “ORIGAMI”」ですね。メインで担当していたクリエイターがホンダのファンで、クライアントの想いを汲み取った素晴らしい企画を考えていました。

 そして、クライアントの担当者の方も非常におもしろいことに積極的な方でした。クリエイターのアイデアって、クライアントの背丈を越すことはできません。いいアイデアでも、クライアント社内を通すのはクライアントの担当の方だからです。その方は社内調整も上手だったこともあり、非常に良い企画が承認された。

 そして完成後、弊社クリエイターから「カンヌライオンズに応募したい」と相談があり、過去に審査員を経験した僕が広告賞を取るために必要なことをアドバイスしました。結果、カンヌライオンズの地域版フェスティバルであるSpikes Asiaでブロンズを受賞するなど、15の広告賞を受賞することができました。

 もちろん、広告賞を取るために制作したわけではないのですが、広告賞を取ることで営業につながるケースもありますし、狙えるときは取りに行ったほうがいいと思っています。「Honda “ORIGAMI”」は、クリエイターとクライアントが非常に良い関係性で素晴らしいクリエイティブを作り上げた事例になっていると思います。

クリエイティブジャンプを起こすのは優先順位付け×社内調整の上手いマーケター

――アイデアがクライアントの背丈を超えることはできない、というのはおもしろいですね。広告主の担当者に対して求めるものはありますか。

 2つあります。1つは優先順位をはっきりすることですね。何のために広告を打つのか目的を明確にして、あれもこれもとならないことが重要です。

 もう1つは社内調整力ですね。担当者と盛り上がって「最高の企画ができた」とその場でなっても、アイデアがクライアント社内を独り歩きしていくうちに頓挫するケースがよくあります。優秀な担当者は大抵明るく、社内調整もすごく上手い。若手社員にも伝えていますが、クライアントの担当者がいい人でないとクリエイティブジャンプは起きません。

――最後に、今後の展望をうかがえますか。

 新型コロナウイルスの影響で、世の中の人が本当に必要なものと必要でないものを理解してしまいました。たとえば、医薬品や食品、生活雑貨・日用品など生活をしていく上で欠かせない商品は広告の力がなくても売り上げが伸びています。

 このような状況が落ち着いてきたら、きっと「なくても大丈夫だったな」と思われたものの広告を考える機会が増えてくるはずです。そのときに「必要じゃないかもしれないけど、あってもいいですよね」と生活者に寄り添った企画を提案したいですね。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/25 14:30 https://markezine.jp/article/detail/33664

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