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定期誌『MarkeZine』デジタルクリエイティブの作法

未知のクリエイティブを作る

 AKQAロンドンのクリエイティブチームを牽引してきた中出雅也氏が、R/GA東京のエグゼクティブクリエイティブディレクター(ECD)に就任した。本記事では、グローバルでのクリエイティブ企画・制作に長年携わってきた、同氏の発想術やデジタルクリエイティブの考え方について聞いた。

電子版(誌面)はこちらから閲覧できます。

※本記事は、2020年10月25日刊行の定期誌『MarkeZine』58号に掲載したものです。

グローバルの知見を日本で変化させる

R/GA東京 エグゼクティブクリエイティブディレクター 中出雅也氏
グローバルの現場で20年にわたる経験を持つクリエイティブ業界のベテランである中出は、エグゼクティブクリエイティブディレクターとしてAKQAロンドンのクリエイティブ部門を統括。ナイキのグローバルアカウントをリードし、オリンピック、ウーマン、トレーニングクラブ、ランクラブ等のプロジェクトで活躍した後、Forevermark、VSCO、Ford、Bvlgari、Verizon、Kotex、Mujiなど幅広いクライアントを手がけた。その仕事は長年にわたり、カンヌライオン、D&AD、ワンショー、CLIO、LIA、ユーロベストなどの国際的なアワードショーで高い評価を得ている。

――中出さんは最近R/GAのECDに就任されましたが、どういった背景があったのでしょうか。

 海外で積み重ねた経験や知見を、日本で試したいというのが大きな背景ですね。私は20年ほどアイルランドやイギリスなど現場で仕事をしてきましたが、あるときから文化や言葉の違いが上手く作用して良い企画が作れるようになり、私自身がユニークな存在であることに気づきました。

 しかしながら、同じ場所で長年やっていると環境に順応してしまいこの効果が薄れてきたと感じ、このタイミングで日本に戻ってクリエイティブ作りに関わりたいと思い、R/GAへの参加を決めました。

――海外で得られた知見やノウハウをもとに日本国内の案件に取り組みたいと思った、ということでしょうか。

 その上で、自分の中のクリエイティブに対する考え方がどう変わるのかに興味がある、ということですかね。そのまま海外にいたときのやり方では通用しないと思っているので。また、私は前の会社には16年近く勤めていて、その会社では1社と12年近く向き合っていたので、R/GAでもっと様々なクライアントと仕事をしてみたいというのがありました。

インサイトベースの発想

――中出さんがクリエイティブを考える際に、大事にしていることを教えてください。

 とにかく他がやっていないことを探す、ということですね。アイデアの内容はもちろん、テクノロジーの使い方も含めてまだ事例のないものを作ることを常に念頭に置いています。そのほうが人の反応も得られやすいですから。

――他がやっていないことを発想するために、していることはありますか。

 まずターゲットのインサイトを探求し、その上で何を伝えたいのかを考え、そのために使えそうなデジタル空間上のトライブ(集団)やテクノロジーを探していきます。目新しいものがなかったとしても、既存のテクノロジーの新しい使い方を模索しています。

――インサイトの探求を重要視するマーケターも多いのですが、中出さんはどのようにインサイトを見つけ出しているのでしょうか。

 インサイトの探求は永遠の課題ですね。データ活用やカスタマージャーニーマップをマッピングすることもありますが、いちばん大事にしているのは直感や常識です。インサイトは論理的に組み立てられがちですが、そこから出てくるインサイトのほとんどはごくごく当たり前の事実。その中から「クリエイティブにできて、反応が起きそうだ」と最終的に判断する上で直感や観察結果から距離を置いた常識が必要になると考えています。

――データなども参考にしつつも、最終的にはご自身の直感が重要だというのはおもしろい指摘ですね。

 インサイトの探求は非常に想像力のいる仕事だと思っています。普遍的なインサイトが出てきたときに、それをひっくり返すアイデアを想像することで、インサイトを活かした良いクリエイティブに昇華できます。そのため、想像力を掻き立ててくれるようなインサイトを常に追い求めるようにしています。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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