実施に必要なデータ準備~分析完了までの期間は?
――MMMの実施にあたって、データの準備や分析といった作業はどのように進めましたか。
アレックス:Gunosyさんからは、直近3年間の広告出稿データやユーザーのアクティブデータなどをご提供いただいたのですが、約3ヵ月で分析を完了できました。
日頃からデータをしっかりと整備・蓄積していることもありますが、石井さんと野崎さんのコミットメントも高く、スピード感をもって進められました。
野崎:今回のMMMでは、FacebookやInstagramに総じてプラスの分析結果が出ましたが、「テレビCMにもっと投資すべき」のような、真逆のケースも考えられたわけです。それにもかかわらずFacebookさんは、私たちの事業の本質を解決するコンサルティングのようなご提案をくださり、とても嬉しかったですし、有意義な結果を得られたと思っています。
――では最後に、MMMの結果を踏まえた、次のアクションについて両社からお話ください。
石井:半年後に再度MMMを実施することを決めており、それまでの期間、新たなメディアミックスによるプロモーションを展開していく予定です。
MMMを行ったことで、自分たちがアプローチしきれていなかった課題が認識でき、すべての行動はROIに対して行うべきだという発想に変わりました。さらに、データを基に再現性のある施策や仕組みを構築していくと、すべてがポジティブになっていくのではないかと考えています。
野崎:MMMで新たな示唆が得られたことは確かですが、今まで追ってきたKPIが間違っていたということではなく、ビジネスのゴールを達成する、よりベストな手段が明らかになったと捉えています。マーケティングチーム以外のメンバーにも、KPI見直しへの理解を深めてもらいながら、CPD7至上主義から脱した、広告収益の最大化へつなげたいと思います。
砂川:MMMは、オンラインとオフラインの施策を行い、KGIをベースに横断でROIを比較したいニーズに有効な手段です。そして、業界問わず、すべての企業に適しています。特にGunosyさんのようなアプリ業界でのMMMの事例はほとんどないので、今後より活用されていくことを期待します。
とはいえ、野崎さんがお話されていたように、代替指標での計測が不必要なわけではありません。サードパーティの計測ツールによる日々のデータ分析と、半年~1年の周期でMMMによるチェックアップを併用し、より最適な予算配分を実現していただきたいです。
アレックス:Facebookは、利益貢献の観点でROIを意識したマーケティングへのシフトに力を入れており、今回Gunosyさんとこのようなお取り組みができたことは大変有意義でした。コロナ禍において企業は、これまで以上にシビアに利益確保を意識せざるを得ません。だからこそ、今後もROIベースのマーケティングに関心を持っていただくために、様々なご提案をしていきたいと思います。
――皆さま、本日はありがとうございました。