新型コロナウイルスの影響で、世の中に受け入れられるクリエイティブにも変化が起きている。その中で、AR技術を活用してソーシャルディスタンスで提唱されている2mを測ることができるサービス「Keep Distance Ruler」が話題となっている。同サービスを開発したPARTYの寺島圭佑氏にどのような発想から開発に至ったのかや、また普段のアイデア作りにおける秘訣を聞いた。
※本記事は、2020年7月25日刊行の定期誌『MarkeZine』55号に掲載したものです。
1日で企画開発して話題になった「Keep Distance Ruler」

PARTY Motion Graphics Artist/Art Director 寺島圭佑氏
グラフィック、モーション、プロダクト、インタラクティブ・UIまで幅広い分野を手がける。ビジュアル・ドリブンのプロジェクト進行を得意とし、アーティストとしても活動している。代表作に、森美術館未来と芸術展「2025年大阪・関西万博誘致計画案」、「SUNSTAR/G・U・MPLAY」、「ATOUN」、「SKATEPARK FONT」など。映像作家100人2018、Good Design Award、The Webby Awards、ONE SHOW DESIGN、ADC INTERACTIVE、Creativepool Annual 2017など、多数の受賞歴がある。趣味はスケートボード、スノーボード、自転車、旅。好きな映画は『Back to the Future』。
――今回は、ARを活用したサービスとして話題になった「Keep Distance Ruler」の制作者であるPARTYの寺島圭佑さんに話をうかがいます。このサービスは、AR技術を使い、ソーシャルディスタンスで提唱されている2mをどこでも計測できるもので、コロナ禍における多くの方の疑問を解消する素晴らしいものだと思ったのですが、そもそもなぜ開発に至ったのでしょうか。
「Keep Distance Ruler」は、個人的な活動の一環で開発を始めました。日ごろからニュースを見る中で、新型コロナウイルスの流行とともにソーシャルディスタンスという言葉が叫ばれる機会が増えてきました。その中で「2mとは、どのくらいの距離なのだろうか」と疑問に思うようになり、モノのサイズを正しく表示することが得意な技術であるARであれば、2mが視覚化できるサービスが作れると考え、開発に至りました。
――疑問に思ってから、それを企画・開発まで至ってしまうのがすごいと思ったのですが、どのくらいの期間で企画・開発を行ったのでしょうか。
開発するのを決めたのはローンチ前日の夜ですね。USDXファイルというiOS向けのARフォーマットを活用し、試しに2mを測るARのプロトタイプを作ってみたのが最初でした。
プロトタイプを体験したとき、「2mってこんなに広いのか」と驚きがあり、体験自体もおもしろかったので、これは皆さんに使ってもらえると思い、すぐに公開を進めました。
――非常に公開までのスピード感が早くびっくりしました(笑)。そこからの反響が大きかったんですね。
最初はスピード重視で、制作したUSDZファイルをGoogleDriveからダウンロードして使用できるようにしていました。しかし、「Keep Distance Ruler」の使用動画を載せたTwitter投稿に多くの反応が集まり、メディアから取材を受けるなど、反響が大きかったため、サイト埋め込みにして使いやすくしたWeb版も公開しました。
――素早いスケジュールで取り組んで、大きな話題となった「Keep Distance Ruler」ですが、今回ARを使ってみて気づいたことはありますか。
これまでのARは、新製品の発表会だったり、ゲームなどのエンターテインメントだったりと、活用の仕方が限られていました。しかし、ARの技術自体はかなり成熟しており、「Keep Distance Ruler」のように実用的な使い方もすることができることがわかりました。これからも、実生活に役立つARの使い方を模索していきたいと思います。

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道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)
1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...
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