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MarkeZine Day 2025 Retail

スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

西井さんと考える、スポーツチームのECが売上の壁を超える方法

今こそ新しい仕組みを

平地:ロシアワールドカップの事例は、UXも考えられていて素晴らしいですね。そのような心地良いUXを、国内のチームも今のタイミングで再設計できるとおもしろくなりそうだと感じました。

西井:たとえば、デジタルを駆使すればシーズンチケットの仕組みも変えることができると思います。通常シーズンチケットは1席を年間でお買い得に購入できますが、友達を誘いにくいですよね。

 しかし、シーズンチケットを買うのは相当なファンですし、そういった方が新たなファンを連れてくる可能性も大いにあります。そのため、シーズンチケット購入者に安い値段で別の席を移動できる権利をする。そうすることで、購入後の使い方も変わってくるはずです。

 また、これまでは試合会場の収容人数=売れるチケットの枚数でしたが、今後はライブ配信などを駆使すればより多くの方に試合観戦を提供できますし、オフラインでの試合観戦の価値を上げることにもつながるかもしれません。

 できない理由を探すのは簡単ですが、デジタルを活用すれば変えられることはたくさんあります。今来場者数が制限されているタイミングだからこそ、新しいチケット購入・体験の仕組みを取り入れてみてもいいのではないでしょうか。

マイナースポーツもECで戦える時代に

平地:最後に、マイナースポーツのEC活用についておうかがいしたいと思います。野球・サッカー・バスケは各球団やリーグ単位でCMSなどを整えていますが、マイナースポーツだと資金的にそこまでの取り組みは難しいです。しかし、最近ではBASEやShopifyなどECを簡単に開設・運営できるサービスが登場していることから、チャレンジすべきだと僕は考えています。

 まだECに取り組めていないスポーツがECで収益を生み出すには、どうしていくべきなんでしょうか。

西井:デジタル活用に対するハードルが下がっていることを認識し、ファンとデジタルでつながる努力をしていただきたいですね。平地さんからもあったように、ECサイトの構築や運営は以前よりも簡単になっています。また、InstagramなどのSNSを使って販促していくこともできます。

 そのため、どんなスポーツであってもSNSなどでつながり、コミュニケーションできる接点を作っていくべきです。小さな飲食店がLINEでつながり来店やリピートを促す事例があるように、初めの一歩でファンとつながる努力をすれば、少しずつ成果が付いてくるはずです。

 そして、既存プラットフォームを使ってECやマーケティングのコツをつかんでいき、少しずつ独自のカスタマイズを加えていけばいいと思います。

平地:まずはプラットフォームを使ってミニマムでスタートし、段階的にアップデートしていくことが重要、ということですね。確かに各SNSでも手軽にマーケティングができるし、コマースの機能が付いているものもありますからね。

 ファンあってのスポーツだからこそ、ファンとデジタルでつながる努力をし、ファンの声を参考に商品開発しECで販売していく。そのような事例が、マイナースポーツからも生まれるといいなと思いました。西井さん、本日は対談していただきありがとうございました。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33971

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