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市場規模700兆円の「フードテック」 食領域のDXとマーケティングへの活用【お薦めの書籍】

 コロナ禍により生活様式が変わる中、大きな影響を受ける飲食・食品業界。一方で、ビジネスにおける大きなDXの波は、食の業界にも広がり、世界規模で新たな産業を生もうとしています。今回は、食とテクノロジーがもたらす新たな産業を取り上げた一冊を紹介します。

注目される「食×テクノロジー」

 今回紹介する書籍は、『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』。著者は、企業のDXを支援するコンサルティングサービスの提供や事業開発を行う「シグマクシス」でDirectorを務める田中宏隆氏と、同社Research/Insight Specialistの岡田亜希子氏、Principal瀬川明秀氏です。

 シグマクシスでは、食とテクノロジーのカンファレンス「スマートキッチン・サミット・ジャパン(SKSジャパン)」を主催しており、本書には同イベントを共同創設したスクラムベンチャーズの外村仁氏も監修として制作に参加しています。

『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』1,980円(税抜)田中宏隆(著),岡田亜希子(著), 瀬川明秀(著), 外村 仁(監修)岸本拓也(著)日経BP

『フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義』1,980円(税抜)
田中宏隆(著),岡田亜希子(著), 瀬川明秀(著), 外村 仁(監修)日経BP

 本書で扱われる「フードテック」は、広く「食」関連のテクノロジーやイノベーション全体を指す言葉です。前述のSKSジャパンでは、食とテクノロジーをテーマに関連企業が業界・業態といったカテゴリーを横断して意見が交換されており、米国シアトルでの「スマートキッチン・サミット(SKS)」をはじめ、イギリス、フランス、イタリアなどでも近いテーマのイベントが既に開かれているといいます。

 しかし、高機能の調理家電、多くの冷凍食品などがあり、食領域が既に発達している現代で、なぜ今フードテックが注目を集めているのでしょうか。

700兆円規模の可能性を持つ市場

 著者らによれば「市場規模のポテンシャル」がそのわかりやすい理由です。フードテックイベント「SKS 2017」で同イベント創設者のマイケル・ウルフ氏は、世界全体のフードテックの市場規模が2025年までに700兆円規模に達すると発表しており、市場規模には諸説ある中、著者らはこの数字を「空想ではない」と語っています。

 その根拠として著者は、そもそも食品、食品流通、外食などの市場規模はとてつもなく大きく、フードテックを活用することで、これらのビジネスをアップグレードできる可能性がある、と述べます。さらに、フードテックを活用した新たなプロダクトやサービスが登場し、既に萌芽しつつある市場を一気にブーストする可能性があるとも主張しているのです。

 では、既に開発されているフードテックにはどのようなものがあるのでしょうか。本書で冒頭から登場する「キッチンOS」がその一つです。

食領域のDXはマーケティングにもメリット

 キッチンOSは、レシピをプログラム化し、IoT技術で調理家電をコントロールするなど、キッチン関連のアプリケーションが幅広く動くデータ基盤です。著者は、これまで分断されてきた「買い物」「レシピ」「調理」という一連の行動をデータでつなぎ、食領域のDXを進めるプラットフォームが勃興していると述べています。

 IoT調理家電の事例からは、フードテックが新たなマーケティングデータを生んでいることを説明。IoTスマートスケールとカクテルを作るためのアプリの利用履歴からは、どういったカクテルが、どこで、どのくらい消費されているのか、またどの種類のお酒が飲まれていたのかも実測できたことから、小売店や飲食店にとっても有用なデータになることを説いています。

 本書では、フードテックが起こってきた背景や注目される個別トレンドをより詳しく解説し、フードテックの全体に対しての理解や、with/afterコロナにおける食領域の今後を論じています。また、食に関わる/今後関わるであろうステークホルダーに対して、それにまつわる新たな事業を共創するための道筋を示しています。

 すべての人に欠かせない食がテクノロジーによって進化することで、生活者にどれだけ大きな変化をもたらすのか、それによってこれからどんなビジネスチャンスが起こるのか。本書を通じて起こりつつある食の革命を感じてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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