1つのコンテンツには、1つの目的を持たせる
三井住友カード株式会社
マーケティング統括部 部長代理
福田保範(ふくだ・やすのり)氏
Repro株式会社
マーケティング事業部 リードジェネレーションチーム マネージャー
實川節朗(じつかわ・もとほ)氏
【理論編】では、「ブランド資産を積み上げるコンテンツとは、ブランド・エクイティを高めるコンテンツである」と定義。複雑化したコンテンツマーケティングを、商品特性やマーケティングの軸など6つの切り口で分解し、さらにコンテンツを目的別に分類した。
ここで、前半の振り返りを兼ねて、三井住友カードとReproのコンテンツ群を目的別に見てみよう。
三井住友カードの場合、各コンテンツに役割が振られ、その重複がないことに気づく。「複数のコンテンツに役割を重複させると、目的やKPIがわからなくなりがち」と福田氏。コンテンツマーケティング全体を見て、目的を設計することが重要だ。
また、コンテンツマーケティングのコンテンツとは、LPや読み物などのテキストだけに留まらない。セミナーやウェビナー、従業員のSNSも含まれる。さらに近年は、動画も作りやすくなった。一方で、「テキストにするか動画にするか迷う」ケースもあるだろう。
そんなときに福田氏は、次に示すコンテンツマーケティングマップで、「どのようなコンテンツを、どの媒体で発信するか?」を考えている。
例えば、納得感を目的とする場合、シミュレーターやケーススタディ、チェックリストなどのコンテンツが挙げられる。
「目的に応じて、コンテンツの媒体や表現も変わります。このことを意識しただけで、コンバージョンレートがあがったこともある」と福田氏。實川氏も、様々な切り口から、適切なコンテンツのあり方を考えることが重要と話した。
BtoCとBtoB、コンテンツマーケティングの違いとは?
続いては、法人を顧客とするRepro。検討期間の長さや、インサイドセールスの存在など、BtoBマーケティングを意識したコンテンツ設計になっている。
オウンドメディアの「Repro Journal」と「engagemate(エンゲージメイト)」は、それぞれ獲得向けとブランディング向けのSEOコンテンツ。その上には、ブランディングコンテンツとしてYouTubeやセミナー登壇、SNSが置かれている。また實川氏は、BtoCとBtoBのSNSマーケティングの違いを説いた。
「BtoB企業のSNSアカウントから案件へ繋げることは、とても難しいと感じています。一方で、“この人がいるから話を聞いてみよう”のケースがあるんです。今後企業は、TwitterやYouTubeで社員個人を立たせて、ブランドイメージに結びつける方法が求められてくると思います」(實川氏)