インハウス支援は「終わりに向けて始まる」もの
――現在ディノス・セシールのCECO(Chief e-Commerce Officer)として、ECの統括をされている石川さんですが、コロナ禍においてEC市況に変化は出ていますか。
石川:我々総合通販会社のECにおいては、家具やインテリア系商材が好調です。しかし、お出かけシーンが減っている影響でファッション商材は苦戦するなど、カテゴリーによって状況は違っています。一方、全体を見ると、今までECを頻度高く使っていなかった方の利用も増えており、収益としてはプラス傾向にあります。他チャネルと比べても、売上の伸び率は高いです。
――今回、運用型広告のインハウス化に取り組んだと伺っていますが、どのような背景があったのでしょうか。
石川:広告運用にかかるコストを削減したいと考えたためです。それまではエージェンシーに運用を委託していて、広告出稿金額に対して一定のパーセンテージを手数料としてお支払いしていました。この部分をもう少し圧縮できないかと考えたのが、始まりです。
――インハウス化を検討するにあたり、ハートラスさんを選んだ経緯を教えてください。
石川:インハウス化は「独り立ち」がゴールで、最初からご支援いただく会社との別れが決まっているため、関係の築き方が難しい側面があります。ですが、ハートラスさんはその点をよく理解されていると感じたんです。「自分たちがいつまでも残っていたらプロジェクトは失敗だ」と高瀬さんが話されていたのが、非常に印象的で、ぜひお任せしたいと思いました。
そこからは、最終的に全広告メニューを自分たちで回せるようにするために、スキームをどのように作っていくのかを相談しながら、順番に進めていきました。
高瀬:当時はディレクション業務のみを社内で行い、実際に手を動かす運用の部分はエージェンシーに一任する形を取られていましたが、その体制が非常に上手く機能している状態でしたよね。
石川:絶好調でしたね。効率も、獲得件数も改善し続けていましたから。
高瀬:より利益を出していくための経営的判断として、上手くいっている体制をあえて見直し、インハウス化に踏み切られたということで、私たちも緊張感をもって支援させていただきました。