SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

SHIBUYA109 lab.×SNOW Japan 若者トレンド変遷研究

“ヲタ活”消費が止まらない!第三次ブーム「K-POP」が今、若者に流行るワケ

“ヲタ活アレンジ消費”も活発に

長田:加えて最近のヲタ活は、SNSを中心に様々な楽しみ方が生まれています。

崔:最近の若者は、大体SNSで「ヲタ活用アカウント」を持っていますよね。最近は同じヲタ同士でSNSで繋がり、友達を作ることも一般的です。

長田:ヲタ活アカウントでは、グッズを買ったり、コンサートに行くなど公式のコンテンツを楽しむ以外にも、アレンジ消費の実態も見ることができます。

 たとえば、「ネップリ(ネットプリントの略)」で作ったものや推しの生誕祭など、ヲタ活の様子をSNSに投稿しています。「アクスタ(アクリルスタンドの略。メンバーの立ち姿がプリントされたマスコット)」の専用ケースを手作りしてSNSに投稿している子も多いです。

 ヲタグッズを手作りして楽しむだけでなく、既存の商品を購入し、推しの要素を加えてアレンジするなど、ヲタ活を起点とした買い物を積極的に行っています。一見するとヲタ活に関係ないような商材においても、消費が生まれているのです。

 これらのヲタ活の“アレンジ消費“は、2018年頃からSNSでよく見かけるようになりました。

左:推しの写真を貼り、スマホケースを飾りつけ/右:ボトルのラベルをカスタマイズできるコーヒーショップにて、推しの名前をラベルに入れたカフェラテをオーダー
左:推しの写真を貼り、スマホケースを飾りつけ
右:ボトルのラベルをカスタマイズできるコーヒーショップにて、推しの名前をラベルに入れたカフェラテをオーダー

崔:SNOW Japanでは「ZEPETO(ゼペット)」というアバターを使ったソーシャルサービスも運営しているのですが、そこでも2018年頃から「#ゼペットでヲタ活」というハッシュタグがすごく流行っています。

 自分のヲタとしての個性をZEPETO上で表現し、全然リアルでは繋がってはいないヲタ同士が繋がっているように感じます。

左:推しの写真をZEPETO上で団扇にし、自分と友人のアバターが手に持っている様子(※写真部分はモザイク加工)中央:推しグループのグッズをZEPETO上で再現し、自分と友人のアバターが手に持っている様子(※グッズデザインの部分はモザイク加工)右:推しの顔立ちやステージ衣装を再現した様子
左:推しの写真をZEPETO上で団扇にし、自分と友人のアバターが手に持っている様子(※写真部分はモザイク加工)
中央:推しグループのグッズをZEPETO上で再現し、自分と友人のアバターが手に持っている様子(※グッズデザインの部分はモザイク加工)
右:推しの顔立ちやステージ衣装を再現した様子

崔:2019年には、ZEPETO上のE-GirlsのヲタコミュニティでZEPETOでMVを再現していた人もいました。

長田:すごい! 推しへの愛を表現するために、相当な時間とお金をかけていますよね。彼らは自分たちでヲタ活の楽しみ方を試行錯誤して考えだし、SNSで表現することに充実感を得ています。

 ヲタ活に限らず、このような「アレンジの余白」は、若者の心を掴み、熱量を生み出す際のポイントです。

【ポイント】

・ヲタ友作りやヲタ活の様子を発信するなど、SNSを軸に楽しんでいる
・既存商品をヲタ活に結び付けて購入する“ヲタ活アレンジ消費”も活発
・完成されたものよりも、創作意欲が発揮できるアレンジの余白があることが、心を掴むポイント

まとめ:SHIBUYA109 lab.所長コメント

SHIBUYA109 lab.のヲタ活調査ではヲタ活に年間15万以上費やすaround20もいるという調査結果が出ており、ヲタ活に対する消費意欲が旺盛であることが見て取れます。今の若者は自分が価値を感じたものに対して時間とお金をかけ、それ以外のものは節約する、消費にメリハリをつけることが特徴で、ヲタ活はこのメリハリ消費の実態のひとつです。このヲタ心を理解することが若者を理解し、アプローチのヒントを得る一つの入り口として非常に有効です。連載次回は「SNS・アプリ」にフォーカスします。お楽しみに!

 SHIBUYA109 lab.のヲタ活調査ではヲタ活に年間15万以上費やすaround20もいるという調査結果が出ており、ヲタ活に対する消費意欲が旺盛であることが見て取れます。

 今の若者は自分が価値を感じたものに対して時間とお金をかけ、それ以外のものは節約する、消費にメリハリをつけることが特徴で、ヲタ活はこのメリハリ消費の実態のひとつです。この“ヲタ心を理解する”ことが、若者を理解し、アプローチのヒントを得る一つの入り口として非常に有効です。連載次回は「SNS・アプリ」にフォーカスします。お楽しみに!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
SHIBUYA109 lab.×SNOW Japan 若者トレンド変遷研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキューラボ)

around20(15~24歳)に特化するマーケティングチーム。毎月およそ200人を超える「新しい世代」と向き合い、独自の視点からその生態をひも解きます。

詳しくはこちら:https://shibuya109lab.jp

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/10/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34536

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング