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動画素材収集ツール「DeLMO」を駆使し、ママコスメがIG動画広告のCV拡大、CPA20%減に成功

 5Gの商用サービスがスタートし、注目が集まる動画広告。運用のカギは、動画クリエイティブの制作環境にある。マキヤマブラザーズは、SNSやインフィード広告に特化した動画ストックサービス「DeLMO(デルモ) for Advertiser」をリリース。インスタグラマーをはじめとした、SNSに詳しいクリエイターが制作するオリジナルの動画素材を多数提供し、企業の動画制作を支援する狙いだ。同社代表の鬼山氏、同サービスを導入した広告代理店のwevnal 、広告主のママコスメの担当者らに話を聞いた。

SNS広告でも動画活用が本格化

――本日は、SNS広告における動画活用をテーマに、お話をうかがいます。まずは、みなさんの自己紹介をお願いします。

青木:ママコスメの青木です。時短と美容の両方をカバーするスキンケア商品の開発・販売をしています。私は、主力商品のママコスメ・クレンジングバームのECサイトの運営、集客プロモーションなど、Webマーケティング全般が担当です。

磯山:wevnalの代表、磯山です。wevnalは、SNS広告の運用やCVR改善に特化したチャットボット「BOTCHAN」を中心に、企業のデジタルマーケティングをご支援しています。

小嶋:同じく、wevnalの小嶋です。ママコスメさんの担当営業として、Facebook/Instagram広告とLINE公式アカウントの運用をサポートしています。

鬼山:マキヤマブラザーズ代表の鬼山です。私たちは、SNSやインフィード広告に特化した動画素材のストックサービス「DeLMO(デルモ)for Advertiser」を運営しています。

――2020年は、注目を集めていた5G商用サービスがスタートし、コロナ禍において生活者のデジタルシフトが進むなど、大きな変化がありました。SNSマーケティングはどのような状況にあると捉えていますか。

磯山:wevnalでは以前から、SNSマーケティング支援に注力してきました。生活者のメディア活用は、検索エンジンやポータルサイトからSNSへシフトし、とくに若年層の間では、人のつながりによる情報収集・共有が当たり前となっています。

 そしてSNSでは、趣味嗜好が細かくターゲティングできる、高度なマーケティングが可能です。各SNSのユーザー属性を考慮しながら、動画をはじめとしたリッチコンテンツを、インタラクティブ性をもって展開していくことがますます重要になっていくと考えています。

(左)株式会社wevnal 代表取締役社長 磯山博文氏、(右)同社 SNSマーケティング事業部 小嶋和弘氏
(左)株式会社wevnal 代表取締役社長 磯山博文氏
(右)同社 SNSマーケティング事業部 小嶋和弘氏

SNSはクリエイティブの更新頻度が成果に直結

小嶋:一方、既に多くの企業がSNSマーケティングに取り組んでいます。情報があふれている中で、クリエイティブで自社ブランドの優位性を見せていくことは一層大切になっています。ところが、ユーザーが広告クリエイティブを見慣れてしまう「飽き」がくるサイクルが速くなっており、中には1週間で効果が下がってしまうケースもあります。

――SNSマーケティングで実現できる接触頻度の高さやリーチは魅力的ですが、コンテンツや広告制作にスピード感が求められる難しさもあるのですね。

小嶋:はい。広告クリエイティブの違いだけで倍以上の効果が生まれることもあり、制作体制はとても重要です。刻々と変わっていくユーザーの心理状況に合わせて、訴求の仕方も改善していくことが求められています。

磯山:SNSマーケティングではセグメントやクリエイティブを変えながら施策を打ち続け、データドリブンで勝ちパターンを見つけていくのがポイントと言えます。スピード感に加えて、クリエイティブを多数用意して様々な角度から訴求していく工夫も必要になります。

動画素材が枯渇していて、動画クリエイティブのPDCAが回らない

――続いて、青木さんにうかがいます。ママコスメさんでは、Instagramの動画広告をスタートされたそうですね。その目的を、教えてください

青木:動画は静止画に比べて、伝えられる情報量が圧倒的に多い点が魅力です。とくにコスメやスキンケア商品の場合、テクスチャーや使い方も伝えられるので、動画は活用したいと考えていました。

 また、お客様はネットやSNSで商品を知り、詳しい情報に触れて、ある程度の取捨選択をした状態でサイトへ訪れ、購入されます。ママコスメの販売チャネルは9割がECなので、動画であれば購入前に「使ったときのイメージ」をより訴求しやすいのではないかと仮説を立てていたんです。

 そして静止画での広告コミュニケーションに限界を感じ始めていたので、動画にチャレンジし、獲得の裾野を広げたいという思いがありました。

――動画クリエイティブは、どのように制作しているのでしょうか。

青木:初めはストックフォトサービスで仕入れた静止画をAIによる自動生成ツールなどを活用し、スライドショー化して動画クリエイティブとして配信していたのですが、既視感や広告色の強さからか、反応は良くありませんでした。

 続いて、UGCを活用した動画制作にも挑戦したのですが、マスプロモーションを積極的に展開しているブランドほど、UGCが潤沢にSNS上にアップされているわけではないので、それも断念。

 最後に商材のみ、もしくは身体の一部だけが映る動画は社内でも制作をしてみたものの、社員の顔出しでの撮影が難しいことや、そもそもの動画全体の設計、撮影時間の確保、機材や備品の調達、社内コミュニケーションなど、諸々のトータルコストが結果的に嵩んでしまい、費用対効果が合わないこと、またスピーディーなPDCAが回しづらいことがわかり、制作のインハウス化も頓挫しました。

――静止画に比べて、動画はクリエイティブのための素材を集めるハードルが高いのですね。

小嶋:そうなんです。他にも、インフルエンサーに依頼したり、クラウドソーシングや社内撮影など試行錯誤を続けていましたが、弊社内でもディレクションが難しく、コスト効率が悪かったり、想像以上のコミュニケーションコストが発生することもあり、悩んでいました。そのようなとき、鬼山さんから「DeLMO for Advertiser」をご提案いただいたんです。

(左)マキヤマブラザーズ株式会社 代表取締役CEO 鬼山真記氏(右)株式会社ママコスメ 青木凛氏
(左)マキヤマブラザーズ株式会社 代表取締役CEO 鬼山真記氏
(右)株式会社ママコスメ 青木凛氏

マーケットニーズに沿った“SNS特化型”の動画素材を提供

――では、「DeLMO for Advertiser」のサービスの特徴を教えてください。

鬼山:「DeLMO for Advertiser」 は、SNSやインフィード広告に最適化された動画素材を集めたプラットフォームです。特徴は、SNSの世界観に即した動画素材が豊富にあること。国内の素材ストックサービスは基本的に画像素材に特化しており、かつ急拡大している「SNS×動画広告」の市場に即したサービスも見つかりません。そのため、広告業界のペインやコンテキストをよく理解したメンバーで開発チームを組成し、我々が育った広告業界に貢献したいという思いで「DeLMO for Advertiser」を立ち上げました。

 現在は広告代理店様を中心に本サービスをご利用頂いており、DeLMOサイト内で希望の動画素材を様々なカテゴリやテーマから検索いただき、ダウンロードいただく方法と、制作ニーズをお聞きした上で新規で撮影し納品する2つの利用方法があります。

「DeLMO for Advertiser」のサンプルページ(タップで拡大)
「DeLMO for Advertiser」のサンプルページ
(タップで拡大)
「DeLMO for Advertiser」の利用手順(タップで拡大)
「DeLMO for Advertiser」の利用手順
(タップで拡大)

――どのようなクリエイターが制作しているのですか。

鬼山:女性のインスタグラマーを中心に、多数のクリエイターが制作しています。主にSNSや最先端のWebサービスを人よりも早くアクティブに利用するようなアーリーアダプターの方々で、「SNSで反応の良い動画」をしっかり理解しています。全業種に対応した動画素材をご用意していますが、現時点ではコスメや脱毛、アプリ系の広告用途に強みがありますね。

「DeLMO for Advertiser」を活用して作られたクリエイティブのサンプルサービスサイトから閲覧可能
「DeLMO for Advertiser」を活用して作られたクリエイティブのサンプル
サービスサイトから閲覧可能

目的別に選べる豊富な動画素材。CPAが20%ダウンの事例も

――実際に「DeLMO for Advertiser」を活用され、いかがでしたか。

青木:動画素材のストックも登録しているクリエイターもとにかく豊富で、素材集めの苦労が解消されました。ママコスメのペルソナに近いモデルや、これまで効果が良かったクリエイティブのモデルに近い方を選べるなど、細かい希望に沿った素材も収集できています。

「DeLMO for Advertiser」を活用し制作した動画コンテンツ

 また、インスタグラマーによる制作なので、お客様が親近感やリアリティを持ちやすい素材が多いと感じます。ママコスメのような単品リピート通販の商材は、クリエイティブのPDCAを回すことが最重要課題です。適切なコストでスピーディーな制作ができると感じています。

小嶋:私も、目的に応じた素材が選べる使い勝手に魅力を感じています。これまで制作した動画クリエイティブと比較しても、「DeLMO for Advertiser」を使った動画は、リアリティがあり、パフォーマンスに反映されていると思います。静止画バナーと比べると、CPAが20%下回ることもありました

――制作のスピード感はいかがですか。

小嶋:ストックにイメージ通りの動画素材がある場合は、すぐに制作へ移れます。ない場合でも、モデルを指定して新規の撮影依頼が可能です。DeLMOのスタッフの方々は皆、広告業界のコンテキストをよく理解されているので、イメージ通りの素材を制作していただき、出し戻しの手間もなく、ディレクションがスムーズです。結果として制作スピードが速くなり、動画フォーマットでの勝ちパターンが見え始めています

鬼山:新規撮影のご依頼の場合、動画の種類にもよりますが、3、4日ほどで納品しています。編集や音入れの作業などは、広告代理店様やクライアント様サイドで自由にできますので、ディレクションのコミュニケーションコストが大幅に下がっているのではないかと思います。

動画広告の制作環境はまだまだ進化する。SNS動画の制作体制をいち早く強化することを企業は求めている

――終わりに今後、みなさんがSNSマーケティングや動画を用いて取り組みたいことをお話しください。

青木:動画広告の制作体制が整い、PDCAサイクルの速さは格段に上がったと感じます。引き続き「DeLMO for Advertiser」にそろっている多様な動画素材を活用し、勝ちパターンを模索していきながら、認知やコンバージョンの最大化につなげたいです。

 また、この座組の精度を高めて、YouTubeやTiKToKなど動画と相性が良いSNSにも横展開し、動画広告でお客様との新たなタッチポイントを広げていきたいと思います。

小嶋:同じプラットフォームでも、静止画バナーと動画広告で反応するユーザーは異なるそうです。今回「DeLMO for Advertiser」を使って動画広告にチャレンジしたことで、これまでリーチできていなかった層へアプローチできたのではないかと感じています。この実績を基に、FacebookやInstagramでのリーチ、コンバージョンを伸ばしながら、別 のメディアにも横展開し、販売チャネルも増やしていきたいです。また、ご支援しているママコスメさんのLINE公式アカウントや各ランディングページでも、動画が有効活用できるのではないかと思います。

 そして私たち広告代理店の強みは、様々な業界の知見を持っていること。汎用性の高いナレッジなどは情報交換をしながら、クライアント様の成功にお力添えしたいです。

磯山:限られた可処分時間の中で、効率よく情報を届けて理解を深められる動画は、今後より重要視されていくでしょう。リアルタイム性とスピード感、さらにリッチなコンテンツが求められてくる市場の中で、wevnalはクリエイティブの差別化によるご支援に注力したいです。今回の「DeLMO for Advertiser」のような、ソリューションやテクノロジーでスピーディーさを実現し、クリエイティブ領域に強みをもつマーケティング支援会社という立場を確立したいですね。

 広告代理店は今後、広告を配信して終わりではなく、企業とロイヤリティの高いエンドユーザーの橋渡し役になっていくと思います。企業に対して生産性の高いマーケティングをご支援し、人生のプラスアルファになるような情報やプロダクトをお客様へ届ける存在になりたいです。

鬼山:非効率なクリエイティブ制作は、企業様や広告代理店様が本当に実現したいマーケティング活動の大きな負荷になってしまっていると思います。「DeLMO for Advertiser」を通して、少しでもクリエイティブ制作効率化を支援していくことで、広告業界に関わる方々が「1分1秒でも早く」質の高い業務を行える環境を提供するとともに、動画素材を提供くださるクリエイターの方々が活躍できる場(人生100年時代に向けた副業支援)も広げていきたいです。

――本日はありがとうございました。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/09 10:00 https://markezine.jp/article/detail/34933