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電通グループのデジタル領域3社が描く、DXの最前線(PR)

LINE経由の売上を47倍に!「銀のさら」が電通アイソバーと取り組んだ、価値の伝わるCX設計

売上につながる「情緒的価値」の発信

――先に体験全体の流れを考え、そこから施策として具体化されていったのですね。電通アイソバーでは、設計・施策をどのように検討したのでしょうか? 具体的な事例もあわせてお教えください。

荻野:まず、LINE公式アカウントを使ってどうカスタマーエクスペリエンスを構築するか、全体を考えました。

電通アイソバー ソーシャルエクスペリエンスデザイン部 シニアコミュニティデザイナー 荻野好美氏

荻野:売上向上というゴールに向け、サービスの認知から商品の選択、注文、食べてもらうまで、ユーザーの一連の行動・体験の中で有効な施策を実行することがミッションとなります。大きく「人の心を動かすこと」と「フリクションレスな体験」という2つの軸を設定しました。

 まず人の心を動かす、つまりユーザーのモチベーション向上という点では、日常の中で、元々「お寿司を食べたい方」はもちろん、「食べるつもりがない方」もなんとなくLINEを見たことをきっかけに、注文行動を起こしたくなるような機会を作ります。意識したことが2つあります。

 1つは、情緒的・感情的な価値を提供すること。「安い・うまい」などの機能価値訴求だけでは、ユーザーに飽きられてしまいます。そのため、それら以外の価値を感じていただくことが重要であり、これが競合他社との差別化にもつながります。

 具体的な例としては、父の日のメッセージ配信です。事前の調査で、多くのお父さんが家族とご飯を食べて過ごすことに価値を感じていることがわかりました。モノよりも家族との“時間”に幸せの価値を感じていたのです。

 そこでメインコピーに「父の日は家族と過ごそう。」という言葉を据え、クリエイティブとして家族と過ごす時間を彩るお父さんへのプラス一品やビールに合うサイドメニューの写真などを展開しました。ユーザーが「お父さんが喜びそう!」と感じる納得感のともなった情緒的な体験を、「銀のさら」というブランド全体から発信し成果につなげました。

父の日に実施したメッセージ配信のクリエイティブ
父の日に実施したメッセージ配信のクリエイティブ

荻野:モチベーション向上においてもう1つ意識しているのは、「ファスト&スロー」というダニエル・カーネマンが提唱する行動経済学における理論。これによると、脳に負担が少なく、直感的に理解しできる情報を伝えることで人は行動に移りやすいとされています。それはLINE公式アカウントにも当てはまり、たとえば年末年始には、お寿司の写真を大きく配置して「当日予約もOK」というコピーを添えたクリエイティブを展開し、売上が上がったというシンプルな事例もあります。

 以上のようにモチベーション向上の施策では、ユーザーへ情緒的価値も伝える一方、瞬時に理解できるクリエイティブを行動心理に基づいて設計することも意識しています。

永山:1~2秒で理解できるという点は、すごく意識して作られていると感じています。我々としては様々なコンテンツを載せたくなってしまいがちですが、そこを整理して提案いただいていますね。

ロイヤルティの高い顧客に向けた機能の充実

――次にフリクションレスの観点で実施された施策はどのようなものでしょうか。

荻野:ユーザーのモチベーションが高まり、「注文したい」という感情が生まれた際に、快適にゴールにたどり着くための体験を目指した取り組みです。大きく分けて2つがあります。

 1つは「リッチメニュー機能」の活用で、Web注文導線や商品メニューを定常設置しています。これにより「銀のさらを注文したい時、LINEを開けばすぐに注文できる」という体験を実現しています。売上全体で見ても、このリッチメニューから高い成果が出ています。

「銀のさら」LINE公式アカウントのリッチメニュー
「銀のさら」LINE公式アカウントのリッチメニュー。左はID未連携ユーザー向け、右はID連携済みユーザー向け

荻野:2つ目は、LINEユーザーIDと連携した会員向けに利便性の高い機能を設置したリッチメニューを用意していること。ID連携していないユーザーとは異なるメニューが表示されるようにしています。

 まず、リッチメニューから会員向けポイントプログラムの保有ポイントが確認できます。また、ブランドの強みである「ネタ替え(寿司ネタの入れ替え)」を日常的に利用している、ロイヤルティの高いユーザーが使いやすいように、注文履歴から同じネタ替えをすぐに引き出せる機能もあります。

 このようにリッチメニューでは、ロイヤルティが高いユーザーにはより注文しやすい体験を用意しています。何よりもベストなユーザー体験が作れるよう、日頃から永山さんや担当者の方とやり取りしていますね。

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LINE経由の売上が約47倍に

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この記事の著者

Y.Kimura(Y.Kimura)

Webマーケター・ライター。企業のオウンドメディアでコンテンツ制作、広告運用を担当。またフリーライターとして、クラウドソーシングサイトを中心にIT・デジタルマーケティング領域に関する記事執筆活動を行っている。ジャズ、ソウルミュージック愛好家。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2021/03/01 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35466

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