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LINE広告活用術(AD)

化粧品ブランドの新規顧客獲得を加速!エイチームライフスタイルから学ぶ、LINE広告活用のヒント

 新規事業として化粧品ブランド「lujo」を展開するエイチームライフスタイルでは、主に運用型広告を活用して新規顧客の獲得を進めてきた。中でも、全チャネルのうち獲得数の半分を占めているというLINE広告の活用方法、導入当初の課題や今後の展望などについて、担当者に話を聞いた。

新事業の安定を目的に多くの運用型広告をテスト

――まず、ご担当されている商材とマーケティング戦略の大まかな方針について教えてください。

岩元:エイチームライフスタイルは、事業の1つとして2020年3月から30代以上の女性をターゲットとした「lujo」という化粧品ブランドを展開しています。クリアアップファンデーションを商材の中心に据えたブランドで、販売経路はECサイトが中心です。そのため、新規顧客の獲得を目的に各種デジタル広告を出稿してきました。

lujo クリアアップ ファンデーション(ライトベージュ)
lujo クリアアップ ファンデーション(ライトベージュ)

――どのような媒体に広告を出稿していますか?

岩元:基本はLINE広告とFacebook広告、Yahoo!広告などを中心に出稿していますが、それとは別にDSPなども試しています。幅広く広告を出稿することで、商材と親和性の高い媒体を比較・検討している段階ですが、最近はLINE広告に出稿する割合が増えています。

 その理由は、LINE広告のインプレッションのインパクトにあります。LINEは月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)と圧倒的なユーザー数を誇るので、出稿したクリエイティブで効果の高いものを見つけられれば、事業の売上にも大きな影響があります

土本:機械学習による自動最適化配信機能があるので、一定のCVがあれば設定したCPAに合わせて安定した配信を行ってくれる点も助かっています。

(左から)エイチームライフスタイル ヘルスケア事業部 D2Cグループ マネージャー 岩元駿氏、エイチームライフスタイル ヘルスケア事業部 D2Cグループ プロモーションチーム 土本達也氏
エイチームライフスタイル ヘルスケア事業部 D2Cグループ マネージャー 岩元駿氏(写真左)
エイチームライフスタイル ヘルスケア事業部 D2Cグループ プロモーションチーム 土本達也氏(写真右)

LINE公式アカウントとの連携を視野にLINE広告を導入

――数ある運用型広告の中で、LINE広告を導入された背景や目的、どのような期待を持っていたかをお教えください。

岩元:「lujo」のビジネスモデル上、継続的にご購入いただけるお客様を獲得することが理想ですが、いかに効率よく購入につなげるかを課題として抱えていました。その足元を固めるために、まずはデジタル広告の効率化を図ろうと考えました。LINE広告は月間利用者数8,600万人(2020年9月末時点)のLINEのユーザーにリーチできるため新規ユーザーの獲得に適していると思いました。 広告運用全体のKPIは、単月で新規獲得1万件を設定しています。

 また、将来的にお客様とのコミュニケーション基盤としてLINE公式アカウントを活用していきたいという思いもありました。効率的に新規ユーザーを獲得するだけでなく、その後のコミュニケーションも含めてLINEを活用し、LTVを高めていきたい。LINEであれば、継続的なコミュニケーションが可能になるため、中長期的な視点を持って運用することで実現できると考えています。

クリエイティブを複数パターン検証し、精査することで効率的に成果アップ

――クリエイティブを制作する上で工夫しているポイントはありますか。

岩元:クリエイティブは次の2つの視点を重視し、自社内で制作しています。

 1つ目はCTR。LINE広告の配信では、CTRが一定の水準を超えないと配信が伸びづらいと感じています。過去の配信実績を基に、一定数のCTRを保てるようなわかりやすいクリエイティブの制作を意識しています。

 2つ目は、その水準を前提に、さらにCVRを意識した確度の高いクリエイティブを制作することです。これまでの検証から、LINEのユーザーは、画像内に文言を入れすぎると広告を見ないことがわかりました。そのため、同じクリエイティブでも、コピーを変えるなど、さまざまな表現や見せ方のパターンを試しています。コピーに選ぶワードの影響は大きいですね。

 また、LINE広告はどの配信面に配信されるかで表示される画像の大きさなどが変わるので、配信面ごとに広告がどのように表示されるかなどの見え方を、ユーザー視点からチェックするようにしています。

――広告運用の際、どのような点に気をつけてPDCAを回していますか。

土本:PDCAは、バナーのインプレッションやCTRを軸に設定して回しています。

 LINE広告は、似たようなコピーやターゲティングで配信する場合でも、CTRの初速に注意しています。初速の数値が良くなければ配信数は伸びず、逆にCTRが高く出すぎてしまうと想定よりも多くのユーザーに表示されることがあるため、クリエイティブのテストを行いたいときは、アドグループの調整に注意して平等に比較できるようにしています。広告の配信を続行するか停止するかの判断はしやすい媒体ですね。

岩元:LINE広告は1つの勝ちパターンを作るというより、仮説を持ちながら出稿を重ね、成果の良いものを精査して増やしていくほうが、効率的に効果を高めていける実感があります。1つでも効果が下がったクリエイティブがあれば、広告グループ全体が影響を受けやすいので、常に新しいクリエイティブを出し続けていくことが重要だと考えています。

ユーザーに響くのは、商品の価値が伝わりやすいシンプルなクリエイティブ

――運用は何人体制で行っているのでしょうか?

岩元:配信内容の企画から運用、クリエイティブの制作まで、3~4人のメンバーで担当しています。比較的少人数かと思いますが、多い時には毎日5本ずつクリエイティブをテストするために配信したこともありました。集中的に多く出稿してユーザーに響くパターンを探し、効果の高いクリエイティブを見つけたあとは本数を減らして次の配信を企画……というステップを踏んでいます。

――かなり検証を繰り返されているのですね。どういったクリエイティブがユーザーに響きましたか?

土本:「lujo」のファンデーションを使うことで得られる効果や使用後のイメージをわかりやすく伝えるバナーが響いていると感じています。テキストと商品画像を組み合わせ、シンプルにベネフィットを伝えるクリエイティブです。

実際に配信したクリエイティブ
実際に配信したクリエイティブ

土本:LINE広告の配信面に馴染みつつも、視認性があって悪目立ちしないようなクリエイティブは、効果が高い傾向にあります。たとえばマスクをしてもファンデーションが崩れにくい、といった一目で見てわかりやすい訴求の方が効果的ですね。

新規獲得の半分をLINE広告経由で獲得

――取り組みを続けた中で、LINE広告ではどのような成果が得られているでしょうか?

岩元:実際のところ、LINE広告に事業を助けられているといっても過言ではないですね。今あるすべてのチャネルの中でも、新規獲得の半分はLINE広告が占めているので、そこが一番の成果かなと。今後はLINE広告経由での獲得が全体の7~8割を占めるようになるのではと感じています。

 その理由としては、やはりLINE広告が多くのユーザーにリーチできることが大きいでしょう。圧倒的な市場のボリュームがあります。

土本:他の広告媒体と比べた時に、LINEの持つプラットフォームとしての優位性もあります。多くのユーザーが集まっているため、ある程度絞り込んでもリーチできるオーディエンスボリュームが十分にあります。加味されるオーディエンスのデータ量も多く、機械学習が進みやすいという好循環が生まれるのでしょう。実際に「自動最適化配信」機能を活用していますが、一定のコンバージョンがあれば配信が安定しやすいと感じます。

 LINE広告の配信機能の1つである、「類似配信」もよく活用しています。設定したオーディエンスに近いユーザーを探してターゲティングを行えるため、当社の場合はリターゲティングの次に精度が高く、確度の高いターゲットまで配信先を拡張できています。

類似配信では、既に作成したオーディエンスと似ているユーザーを探し、オーディエンスサイズを拡張できる。類似度は1〜15%、または自動で設定可能
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類似配信では、既に作成したオーディエンスと似ているユーザーを探し、オーディエンスサイズを拡張できる。類似度は1〜15%、または自動で設定可能

LINEで完結するコミュニケーション設計で、LTVの向上を目指す

――今後のマーケティング戦略においてチャレンジしたいこと、また、どのようにLINEを活用していきたいか教えてください。

土本:運用面では、現在リーチできていないユーザーにもアプローチできるように、コミュニケーション施策や広告を展開していきたいです。

 クリエイティブに関しては、最適化できる余地がまだ残っていると思いますので、ターゲットごとに細分化、最適化を進めていきます。今後は配信の設定も年齢・性別・地域、興味関心などをそれぞれ指定できる「LINEデモグラフィックデータ配信」を活用し、リーチを広げていきたいです。

岩元:もう少し広い話でいえば、広告運用が軌道に乗り、安定的なフェーズに入った後のクロスセルも見据えて準備を進めています。その際、LTVを上げていくために必要な、顧客とのコミュニケーション設計も進めている状況です。

 たとえば、商品の購入時にLINE公式アカウントを友だち追加していただき、購入後も継続してコミュニケーションを取っていきたい。将来的にはカスタマーサポートもLINE上で完結し、より顧客にとって使いやすいサービスを提供していきたいですね

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この記事の著者

Y.Kimura(Y.Kimura)

Webマーケター・ライター。企業のオウンドメディアでコンテンツ制作、広告運用を担当。またフリーライターとして、クラウドソーシングサイトを中心にIT・デジタルマーケティング領域に関する記事執筆活動を行っている。ジャズ、ソウルミュージック愛好家。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/04/16 12:00 https://markezine.jp/article/detail/35674