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分析工数を5日→1hに!アンダーアーマーのドーム社がノーコードで実現したデータマーケティング手法とは

 多くの企業がデータマーケティングに取り組む中で課題となるのが、分析に対する工数です。蓄積したデータを整え、分析・マーケティングに活用できる状態にするのは簡単ではありません。本稿では、同様の課題を抱えていたUNDER ARMOUR(アンダーアーマー)を展開するドーム社でマーケティングを担当するコンシューマーインサイト部門の間瀬有紀氏に、同社が取り組んだデータマーケティングにおける工数削減の取り組み、そしてそこから得られた成果について聞きました。

BIツールでは手の届かない分析が課題に

――まず、御社の事業概要について教えてください。

間瀬:弊社は、「社会価値の創造」を企業理念に掲げており、スポーツを通じて社会に役立つ新しい市場や文化を創り出すことを目指しております。 具体的には、多くのアスリートが着用する「UNDER ARMOUR」を軸としたスポーツプロダクト事業を展開しています。

株式会社ドーム コンシューマーインサイト部門 間瀬 有紀氏

――御社は以前よりデータマーケティングに注力しており、その取り組みを加速させるべくフロムスクラッチのデータマーケティングツール「b→dash」を導入したと聞いています。そのきっかけはなんだったのでしょうか。

間瀬:b→dash導入以前は、売上データを分析するためにあるBIツールを導入していました。そのツールでは、「商品カテゴリ別」「スポーツ別」「属性別」などの集計軸と、「売上金額」「F2転換率」「LTV」「購入回数」「購入単価」といった指標を組み合わせた分析を行う予定でした。

 ただ、実際に既存のBIツールで分析を行おうとすると、社内にある顧客データ、EC売上データ、店舗売上データなど様々なデータが統合されておらず、分析できるデータが限られ、導入前に描いていた分析が実現できませんでした。

 たとえば、「商品カテゴリ別」の集計軸と「F2転換率」の指標を掛け合わせた「商品カテゴリ別F2転換率」を分析して、継続購入につながりやすい初回購入商品は何かを探ろうと思っても、そのデータの掛け合わせができない、もしくは時間がかかっていたのです。

 そこで、データの統合を進めるべく、SQLを用いた統合作業を行っているシステムベンダーに見積もりを取りました。しかし、費用がものすごく高く、何か他に良い方法がないか模索していたところ、出会ったのがb→dashでした。

データ加工・統合・連携をノーコードで実現

――分析以前にデータ統合の重要性に気づき、それを可能にする手段を模索したわけですね。様々なデータマーケティングに関するツールがある中で、b→dashを選んだのはなぜでしょうか。

間瀬:複数社のツールを検討する中で、b→dashであれば、分析に必要なデータをマーケター自身で簡単に準備できるという点が決め手でしたね。b→dashの場合は、GUI上でSQLを用いる必要がなく、誰でもノーコードでデータ統合に関する作業が行えます。

間瀬:データ分析に必要なデータの加工・統合・連携といったデータの準備をシステムベンダーに発注せずマーケター自身で完結できるので、非常に大きなメリットを感じました。

 実際にb→dashのデモ画面も見せてもらった際も、とても使いやすいUI/UXになっており、直感的に作業できることから「SQLの知識がないメンバーでも運用できそうだ」というイメージを持てたため、b→dashの導入を決めました。

 また、b→dashはデータの加工、統合をテンプレートで実施できる機能など、クラウドサービスならではのアップデートが頻繁に行われる点も非常に魅力的でした。

5日かかったレポート作成が1時間に

――b→dashを導入したことで、どのようなことを実現できましたか。

間瀬:b→dashのDate Paletteによって、SQLの知識がない弊社のメンバーでもノーコードでデータの加工・統合を実現でき、様々なデータの統合によって分析可能な集計軸や指標が一気に増えました。b→dash導入以前にはできなかった「初回購入商品カテゴリ別のLTV分析」など様々なデータを掛け合わせた分析も行えるようになりました。

 以前のBIツールではデータ統合ができていないために、一部のレポートはExcelを使って人力で作成していました。これにより、Excelにて大量のデータを処理するとPCが重くなる、複雑な作業によるヒューマンエラーが起きないようにチェック体制を整える必要があるといった課題も発生していました。

 その結果、5営業日程度かかってしまっていたレポート作成も、b→dashの導入後は1時間程度の作業で済むようになり、圧倒的な工数削減を実現できました。

間瀬:そして、工数が削減できた分、データ分析の頻度も上がったので、マーケティング施策のPDCAをスピーディーに回すことができるようになり、成果につなげることができました。

 また、b→dashはデータ分析だけではなく、メール配信に代表されるようなマーケティング施策を実施するためのデータ基盤としても活用することができています。

 分析用に統合した顧客データやEC売上データ、店舗売上データを用いることで、「直近1ヵ月以内に店舗やECで商品を購入いただいたお客様」「ECと店舗の両方で商品を購入いただいたことがあるお客様」または「店舗でしか商品を購入いただいたことがないお客様」というように条件を指定するだけで、メール配信対象となるデータを抽出することができます。

 このデータ抽出業務においても、b→dash導入以前は施策を実施するたびに手作業でデータ集計を行う必要があり、1回あたり数時間かかっていたのですが、b→dashを導入したことで数分から数十分で実施できるようになりました。

データ活用で重要なことは「前処理」をノーコードでできるかどうか

――今回の事例を通じて得られた気づきはありますか? またマーケターの皆様にデータ活用に関するアドバイスをお願いします。

間瀬:今回のb→dashの活用を通じて、データの統合や加工といった前処理作業がデータ活用において非常に重要ということに気付けました。BIツールの多くは、見やすくわかりやすい「グラフ」や「チャート」が作成できるので一見誰でも使いこなせそうなイメージを持たれる方が多いと思います。

 ただ、BIツールを用いて「グラフ」や「チャート」を表示させるためには、分析したいデータを正しい形で準備しないといけません。このデータの「前処理」作業は非常に大変で、高度なSQLの知識が求められます。そのため誰でもできるわけではなく、システムベンダーに外注する必要が発生するなど、コストや工数が膨大になることが多いです。

 そのため、BIツールを導入する際は、SQLが必要なデータの「前処理を誰がするのか」という点を意識された方がいいと思います。そして、もしSQLを扱えるメンバーがいないのであれば、SQLを用いずとも、ノーコードでデータの前処理を実現できるb→dashのようなツールを検討するのも一つです。

 また、データマーケティングを実施するにあたり重要なのが、分析から施策まで一貫して使うことができるツールを利用することです。データマーケティングが分析だけで終わることは少なく、メール配信のような顧客へアプローチする施策も実施するはずです。この際、分析と施策で別のツールを使っていると、それぞれでデータを準備する手間がかかってしまいます。このような事態を引き起こさないためにも、分析と施策が一体化しているツールを選ぶことは重要です。

 b→dashであればコストや工数を削減しながらマーケターが個人でデータ準備から分析までを行えて、マーケティング施策もスピーディーに回せるようになるので、導入するメリットは非常に大きいと思います。

データを活用することでお客様にワクワクする体験を届けたい

――最後に今後の展望を教えてください。

間瀬:会社として真にやりたいことは、「スポーツを通じて社会を豊かにする」ことです。そうすることで、日本を元気にしていきたいと思っています。我々のサービスやWebサイトに様々な接点で入ってきてくれたお客様がスポーツをますます好きになる。そして、スポーツを行う中で我々のサービスを通して生活がより豊かになる。そういった世界を実現したいと考えています。

間瀬:そのために事業単位ではなくて会社としてタッチポイントを持ったお客様のデータをすべて統合して、全事業に波及させていき、その方に最適なサービスをOne to Oneで提供することが必要だと考えています。その結果、事業間での相互送客はもちろん、弊社のどの事業であっても接点を持ってくださったお客様に対して、その方が必要としているタイミングで必要なオファーをしていくことで、ユーザーエクスペリエンスを高めていきたいです。

 これらを実現する上でb→dashは、様々なデータをノーコードで統合できるため非常にフィットしていると考えています。今後もb→dashを活用しながらワクワクするブランド体験を届けたい、そう強く思っています。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/03/25 11:00 https://markezine.jp/article/detail/35688