2.潜在能力のあるところから戦略的に導線を強化していく
ステップ2は、獲得導線の強化。はじめに、Googleアナリティクスの「ランディングページ」と「ページ/セッション」から強化すべき導線を見つける。
「Googleアナリティクスで『ページセッションが多いランディングページ=潜在能力が高いところ』と捉えて取り組むのが良策。リソースは限られていますから、施策の初めは、すでに強いところをより強くしていきましょう」と村尾氏。
強化するページは企業により異なるが、よくあるパターンは優先度の高い順に、TOPページ、製品のTOPページ、記事ページ。シャノンのクライアントでは、この3つのカテゴリを強化することが多いという。
こうして、強化するべき導線を見つけたら、ABテストで複数の導線を検証しながら最適化していく。たとえば、製品ページでは、資料請求・ウェビナー・ホワイトペーパーのどれに誘導するのがよいのか。ポップアップで選択肢を2つほど出し、どれがどのくらいのリード獲得につながったのかを確認して、導線を最適化する。
この時、ABテストの結果をビジネスへの貢献度まで落とし込んで追跡することが重要。リードの獲得数だけでなく、商談や受注につながったかを追跡できる環境を整えてからABテストをするのが望ましい。
商談フェーズの長短によっても結果は異なってくる。受注までの期間が短ければ受注まで、受注までに1年以上かかる場合は商談を結果とするとよい。
「獲得後に商談・受注まできちんと引き上げられたかを追跡できる環境を整えてから実行してください」と村尾氏は念を押した。
3.コンテンツのパーソナライズはABテストすることで効果検証がしやすくなる
ステップ3ではさらにもう一歩踏み込み、パーソナライズされたコンテンツを提示してリードの獲得を強化する。
ウェブサイトのパーソナライズをするためには、まず「匿名リード」と「MAに登録済み(獲得済み)のリード」に分類する。匿名なのか獲得済みなのかで、やり方は大きく変わってくる。
「匿名」は、まだMAにデータが登録されていないリードのため、アプローチに使えるデータはアクセス履歴のみだ。匿名のパーソナライズでは、訪問回数とアクセスページ(興味範囲)の掛け合わせがキーになる。
たとえば、製品事例を見るにはフォーム登録が必要だったため離脱したが、翌週もまたサイトに訪れた人。事例に興味を持っているこの来訪者に、再度フォーム登録を勧めるのか、資料請求を勧めるのか。どちらが有効かをテストしながら最適化していくのが効果的だという。
逆に、過去にイベントや資料請求フォームに登録していたり、メールマガジンを受け取ったMAに登録済みのリードでは、多くの情報を使うことができる。ただ、あまりに細かなターゲティングをしても改善サイクルを回すのが難しくなる。
そのため、パーソナライズをするための準備として、購買のフェーズを分類することが第1段階となる。よく使われるフェーズの分類は、次のような条件だ。
- 商談:アポ、商談中
- 比較検討層:資料請求後3カ月以内
- 関心層:ホワイトペーパーのダウンロード・ウェビナーの申し込みから3カ月以内/資料請求から6カ月以内
- 興味フェーズ:半年以内に2ページ以上閲覧したサイト来訪者
- 認知フェーズ:メール配信の許可のみ
このようにフェーズ分けをすると、来訪者に合ったコンテンツを出し分けし、適切な誘導ができるようになる。
すでに同じことをセグメントメールで実施している企業も多いだろう。それをウェブサイトでも実施するのだ。
村尾氏は、「メールだけでなくウェブサイトでも同じようなフォローないしABテストをしていただきたい。イベントでリードを獲得した方がウェブサイトを来訪したら、ウェビナーに誘導するパターンと資料請求に誘導するパターンを出し分けて、どちらが効果的かを実験していく。メールと同じようにABテストをすることで、ウェブサイトのパーソナライズはより効果を発揮してきます」と話す。
メールでは表現力が弱く伝えきれない情報をウェブサイトで伝え、その先のアクションを振り分ける。その結果、どれが商談につながるか、どんな誘導の流れが最適なのかをテストしていくのだ。