MAとSFAは連動させて一元管理
BtoBマーケティング活動において、顧客管理はとても重要だ。リード獲得で安定的な実績が出せるようになると、引き渡した案件が実際に売れたかという実績が気になりはじめる。そこでMAとSFAのプラットフォームの連携を行い、引渡し後の売上実績の進捗を管理、可視化した。

リード獲得の際、マーケティングはMAに、営業はSFAのなかにデータが取り込まれる。どちらのプラットフォームでもリードが新規顧客なのか既存顧客なのかがわかるようにするのは大事だ。ナーチャリング後の営業への引き渡しは確度の高いもののみをSFAにデータ連携する。案件化が終わったあとのステータス管理もとても重要で、MA側でもSFA側でも同じ情報を持ち、一顧客に同じアプローチをかけないなど対応を可視化することが必須だ。
新規顧客の受注率よりも既存顧客の受注率のほうが言うまでもなく高い。新規顧客の取り込みと履歴をしっかり蓄積させていき、リピートや失注など、次に提案できるタイミングを残しておく活動がとても重要な施策である。
アプローチしたタイミングでは案件につながらなくても、MAやSFAで案件管理を蓄積させておくことで適切なタイミングで再アプローチをかけられる。1年前にプリンターを買い替えたとヒアリングしたら、「次はだいたい2~3年後に買い替えるな」とMAに履歴を残す。
商談会以外のリードに対してもできるだけ早くMAからメール配信を行い、商談化につながるかどうかリード区分をわけておくことも大事な施策のひとつ。その後、ロイヤルカスタマーにするためのさらなる価値提供を考える。
コンテンツマーケティングとしてオウンドメディアを運用
コンテンツマーケティングとは、対象ユーザーに良質なコンテンツを提供することで潜在顧客を見込み顧客に育て、ファン化することで購買に結び付ける一連の仕組み。
ブラザーグループのウェブサイトは製品をメインとしたサイトになっているので、製品購入には見やすいが、潜在層へのアプローチには向かない。そこで、ケーススタディや導入事例などを紹介する法人向けオウンドメディア「ビジネスNAVI」を立ち上げた。ユーザーは気軽に製品選びを相談できるし、マーケティングにとっては広告の流入先にもなる。
各業界のビジネストレンドを発信しながら、活用提案としてホワイトペーパーも出す。ユーザーが気に入った製品があれば、デモ機を無償で借りられる。
コンテンツをちりばめて、リードの獲得、ナーチャリング、ホットリードへの流入と、最終的な案件創出や売上を伸ばせる活動になっている。
ナーチャリング活動のメール配信もリード全体への配信のほか、業種別の配信などを強化。どのようなコンテンツが見られるのかなど、継続的な分析をおこないながら運用することで、コンテンツの改善やクリック率の増加にもつながる。
最後に今村氏はこれまでの取り組みを振り返り、「どの施策も何より大切なのはやり切ること」と語った。そして、「BtoBマーケティングはすぐに成果がでにくいので、途中で挫折してしまいそうになりますが、社内に味方がいることで一緒に頑張れます」とセッションを締めくくった。
