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D2Cブランドの成長を支えるデジタル×マス融合の可能性

D2C事業者によく使われるアフィリエイト広告、そのリスクと付き合い方を考える

 ユニリーバ・ジャパンにおいてLUXやDOVEなどの消費財マーケティングに従事し、現在は同社のグループ会社であるラフラ・ジャパンのCOOとしてD2Cビジネスにも向き合う木村氏が、両者の違いや共通点について解説する本連載。第2回は、アフィリエイト広告との付き合い方について考えます。

D2Cブランドとアフィリエイト広告

 アフィリエイト広告はD2C事業者によく使われる手法の一つです。デジタルマーケティング関連の業務に従事する方は、よく知っているのではないでしょうか。

 一方マスマーケティングを中心とする消費財業界にいると、アフィリエイト広告という単語を耳にすることはほとんどなかったように思います。実際に、私が在籍していたユニリーバ・ジャパンの同僚に「アフィリエイト」という単語について聞いてみると、何となく知っている程度、という人ばかりでした。

 なぜD2C業界はアフィリエイトという手法で事業を伸ばしているのでしょうか。今回は、D2Cとアフィリエイト広告の関係、そしてアフィリエイト広告を活用する際の注意点について考えを述べていきたいと思います。

そもそもアフィリエイト広告とは?

 アフィリエイト広告とは、成果報酬型広告のことです。たとえば、化粧水のアフィリエイト広告があったとします。Webサイトを持っている人が、化粧水のアフィリエイト広告を掲載し、サイトに訪れたユーザーがWebサイト経由で化粧水を購入することで、Webサイトの保有者に広告主である化粧水販売会社からお金が入るという仕組みです。

 この時、Webサイト運営者と、化粧水の販売会社の間に入っている広告代理店のことをASP(Affiliate Service Provider)と呼びます。ASPが広告のトラッキングやWebサイト運営者への支払いを代行します。

 ASPに該当する企業には、Yahoo!グループであるバリューコマースや、上場企業であるa8を運営するファンコミュニケーションズが挙げられます。ASPは現在は日本国内だけでも100社以上存在し、成長している業態の一つです。

 アフィリエイトの形態も近年は多様化し、Google(もしくはYahoo!)で検索したユーザーをサイトに誘導し、商品購入を促すSEOアフィリエイトから、Facebook広告やGoogle広告を運用して商品を売るアドアフィリエイトまで幅広い方法が導入されています。

D2C企業はなぜアフィリエイトをよく使うのか?

 ベンチャー企業の経営者に、マーケティングに関する相談をされますが、初期にPRやマス広告に予算を使うのは成果が出るかわからない、成果が出なかった時が怖いから踏み込めないという話がよく出てきます。

 それに対し、成果に応じて報酬を支払うアフィリエイト広告は確実に売上とコスト(アフィリエイト広告の費用)を予測することができるので、使いやすいようです。芸能人を起用し、大々的なPRをしたのにほとんど商品が売れなかった……という経験をされた方もいるかもしれませんが、創業初期は一つの失敗が会社の倒産につながりかねないため、経営者が慎重になるのは当然です。

 確かに成果報酬で確実にPLを試算できるのはアフィリエイトのメリットです。一方で爆発的に売上が伸びることはありません。あらかじめ用意した予算に到達した場合は、アフィリエイト広告を止めることになります。

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この記事の著者

木村 元(キムラ ツカサ)

株式会社Brandism代表取締役ユニリーバに2009年に入社。約12年間、ラックスやダヴなどのブランドマーケティングを経験。国内を中心とした360°のプロモーションから、グローバルのブランド戦略や製品開発まで、幅広く従事。ロンドン本社にてダヴを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードした後...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/06/24 07:00 https://markezine.jp/article/detail/36247

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